COVID-19の影響による図書館の動向調査(2021/07/26)について

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【COVID-19の影響で休館している図書館は前回の26館から13館に減少】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。2021年7月22日(木・祝)から7月25日(日)にかけて実施した第21回目の調査結果を発表します。今回は東京オリンピック2020の開始に合わせてこの期間に調査を行いました。 6月に実施した第20回調査以後、東京都には4度目・沖縄県には継続して緊急事態宣言が発出され、埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府はまん延防止等重点措置の対象地域となっています[1]。 緊急事態宣言の地域やまん延防止等重点措置の対象地域からの来館自粛を要請する図書館が散見されました。 COVID-19の影響で休館している図書館は前回の26館から13館に減少しました。

調査の概要[編集]

調査日時
2021年7月22日(木・祝)9時~2021年7月25日(日)24時 87時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1737館(前回1729館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者10人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況[編集]

  • COVID-19の影響により休館している図書館は13館でした。
  • 災害等で休館している図書館は4館でした。
  • 入館記録を取っている図書館は297館となりました。
休館率全国地図(2021年07月25日時点)
全国公共図書館休館率状況と重症患者数(2021年07月25日時点)
全国公共図書館休館率状況 第2回~21回(2021年07月26日時点)


都道府県コード 都道府県 合計 入館記録 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
1 北海道 180 20 0 0 0 0.00%
2 青森県 39 4 0 0 0 0.00%
3 岩手県 34 6 0 0 0 0.00%
4 宮城県 36 1 0 0 0 0.00%
5 秋田県 26 4 0 0 0 0.00%
6 山形県 36 9 0 0 0 0.00%
7 福島県 58 4 1 4 5 8.62%
8 茨城県 45 10 0 0 0 0.00%
9 栃木県 26 5 0 0 0 0.00%
10 群馬県 36 6 0 0 0 0.00%
11 埼玉県 64 22 1 0 1 1.56%
12 千葉県 55 40 0 0 0 0.00%
13 東京都 61 9 0 0 0 0.00%
14 神奈川県 34 4 0 0 0 0.00%
15 新潟県 31 5 0 0 0 0.00%
16 富山県 16 1 0 0 0 0.00%
17 石川県 20 4 0 0 0 0.00%
18 福井県 18 4 0 0 0 0.00%
19 山梨県 25 10 0 0 0 0.00%
20 長野県 72 11 0 0 0 0.00%
21 岐阜県 43 7 0 0 0 0.00%
22 静岡県 36 5 0 0 0 0.00%
23 愛知県 55 13 0 0 0 0.00%
24 三重県 29 5 0 0 0 0.00%
25 滋賀県 20 1 0 0 0 0.00%
26 京都府 27 4 0 0 0 0.00%
27 大阪府 44 10 0 0 0 0.00%
28 兵庫県 42 7 0 0 0 0.00%
29 奈良県 33 5 0 0 0 0.00%
30 和歌山県 30 4 0 0 0 0.00%
31 鳥取県 20 1 0 0 0 0.00%
32 島根県 19 1 0 0 0 0.00%
33 岡山県 27 1 0 0 0 0.00%
34 広島県 24 0 0 0 0 0.00%
35 山口県 19 1 0 0 0 0.00%
36 徳島県 22 2 0 0 0 0.00%
37 香川県 18 0 0 0 0 0.00%
38 愛媛県 21 1 0 0 0 0.00%
39 高知県 30 1 0 0 0 0.00%
40 福岡県 60 19 0 0 0 0.00%
41 佐賀県 21 1 0 0 0 0.00%
42 長崎県 22 3 0 0 0 0.00%
43 熊本県 41 11 0 0 0 0.00%
44 大分県 19 6 0 0 0 0.00%
45 宮崎県 27 7 0 0 0 0.00%
46 鹿児島県 44 2 1 0 1 2.27%
47 沖縄県 32 0 10 0 10 31.25%
合計 1737 297 13 4 17 0.98%

前回調査からの動き[編集]

  • 7月11日までの予定だった沖縄県の緊急事態宣言は延長され、2021年5月23日から2021年8月22日までとなりました[2]
  • 東京都は感染者数の増加に伴い、2021年7月12日から2021年8月22日まで4回目の緊急事態宣言が発出されました[3]
  • 埼玉県、千葉県、神奈川県は2021年4月20日から2021年8月22日までまん延防止等重点措置の対象期間が延長されています。また、大阪府は緊急事態宣言解除後の2021年6月21日から2021年8月22日までまん延防止等重点措置の対象地域となりました[4]
  • 神奈川県は2021年7月16日に「神奈川版緊急事態宣言」[5]を発出しています。
  • 国立大学図書館・公立大学図書館の動向調査は毎週実施されています。

オリンピック競技開催の対応[編集]

  • 府中市立図書館(東京都)では、2021年7月24日(土)、25日(日)に自転車ロードレース競技の開催に伴い、図書館周辺道路が交通規制されることから、宮町図書館の開館時間変更をしています。
  • 山中湖情報創造館(山梨県)では、自転車ロードレース競技が開催される2021年7月24日(土)、25日(日)は、周辺道路の交通規制にともない臨時休館とのことです。

各図書館の状況・取り組み[編集]

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域では、休館と並行して非来館サービスの実施が見られました。

感染症対策[編集]

いくつかの図書館では、緊急事態措置またはまん延防止等重点措置の対象地域からの来館者に利用自粛を呼び掛けています。例として2館のみ紹介します。入館を予約制にした図書館もあります。

  • 小樽市立図書館(北海道)では、緊急事態措置またはまん延防止等重点措置の対象地域からの来館者は入館自粛を呼びかけています。
  • 美唄市立図書館(北海道)では、緊急事態措置及びまん延防止等重点措置の対象地域の方の利用は遠慮するよう呼びかけています。
  • 神津島村図書館(東京都)は、緊急事態宣言発令中のため、予約制での利用とし、最大利用人数は10名程度、村内在住者に利用者を限定しています。

図書館・公民館がワクチン接種会場になった影響[編集]

図書館や公民館の建物がワクチンの接種会場となった関係で、開館時間を縮小したり、休館する事例が見られました。

  • 当別町図書館(北海道)では、ワクチン接種会場となっている施設の一部貸室を使用停止しています。
  • 石巻市立図書館(宮城県)では、河北分館がワクチン接種会場となる2021年7月10日(土)、11日(日)、31日(土)、8月1日(日)は臨時休館としています。
  • 上小阿仁村図書館(秋田県)では、新型コロナウイルスワクチン接種会場のため2021年7月11日(日)、17日(土)、18日(日)、8月1日(日)、7日(土)、8日(日)を休館としています。
  • 古河市立図書館(茨城県)では、2021年6月28日(月)から11月30日(火)まで古河市生涯学習センター総和(とねミドリ館)がワクチン大規模接種会場に指定された為、とねミドリ館図書室の利用停止しています。
  • 奥多摩町立図書館(東京都)では、ワクチン接種に伴い臨時休館となる日程を公開しています。
  • 三浦市図書館(神奈川県)では、8月1日(日)は旧三崎中学校が新型コロナワクチンの接種会場になっていることに伴い、本館のみ臨時休館するとしています。
  • 志摩市立図書館(三重県)では、図書館2階がワクチン接種会場となるため土曜日(午後)、日曜日(午前・午後)は駐車場の混雑が予想されることを案内しています。また、ワクチン接種がおこなわれる日程では、個人学習室の利用を停止するとのことです。
  • 橿原市立図書館(奈良県)では、併設のホールがワクチンの接種会場になるため、図書館の休館日と開館時間を変更しています。この影響により図書館への来館には公共交通機関を利用するよう呼びかけています。
  • 高取町立図書館(奈良県)では、併設のホールがワクチン接種会場になるため開館日変更しています。
  • 真庭市立図書館(岡山県)では、蒜山振興局が新型コロナワクチン集団接種会場となるため、会場に隣接する図書館書庫の資料を7月末まで取り出すことができないという案内をしています。

サービスの開始[編集]

  • 北斗市図書館(北海道)では2021年6月から、これまで館内視聴のみだった映像資料について貸し出しを開始しました。
  • 置戸町立図書館(北海道)では、図書館と町内飲食店のコラボレーション企画として、「第1回 本とランチのテイクアウト」を始めます。図書館で用意した本のセットと、町内飲食店自慢の新メニューのお弁当を持ち帰るというもので、新型コロナウイルス感染症対策として、図書館に滞在する時間を短くして感染リスクを避けるため、そして一番影響を受けている町内飲食店を応援するために企画したそうです。第1回を2021年7月31日(土)に実施します。
  • 葉山町立図書館(神奈川県)では、2021年6月12日(土)から「リサイクルブックコーナー」常設するとしています。これまでは、期間を決めてコーナーを設置してきましたが、密を避けて利用できるよう常設としたそうです。
  • 大垣市図書館(岐阜県)では、2021年6月1日から図書館ホームページの利用者マイページにバーコード表示機能をつけました。このバーコードをスマートフォン等で表示することにより貸出券として利用することができます。
  • 京丹後市立図書館(京都府)では、市内全図書館・図書室にルーターを設置し、Wi-Fiへの接続サービスを開始しました。
  • 県立山口図書館(山口県)では、2021年9月11日(土)に放送大学山口学習センターと連携し、公開講座「身体不活動(運動不足)と感染症」を開催します。

オンラインイベント[編集]

  • 福井市図書館桜木図書館(福井県)では、2021年8月から9月に朗読の基本を学ぶ講座をオンラインで開催します。著作権について触れるとともに、パブリックドメインの作品を探す試みも予定されています。
  • 県立長野図書館(長野県)では、Labo.Cafe#13 うなずき珈琲(レモネードの会)を2021年8月1日(日)に開催します。オンラインと図書館内のハイブリッド型で開催です。
  • 堺市立図書館(大阪府)では、2021年7月20日(火)から8月22日(日)まで、「本の名まえでしりとりをしよう!」というイベントを行います。書名を5冊つなげて紹介するというもので、図書館に来館しなくても電子申請により応募可能になっています。

電子図書館[編集]

  • 帯広市立図書館(北海道)では、2021年7月28日(水)に「GIGAスクール応援!帯広市電子図書館使いこなし講座を開催します。
  • 栗山町図書館(北海道)では、2021年8月1日(日)から栗山町電子図書館を開始します。
  • 日立市立図書館(茨城県)では、2021年7月20日(火)から「日立市電子書籍貸出サービス」を開始しました。
  • 矢坂市立図書館(栃木県)では、2021年8月3日(火)午前9時から電子図書館が始まります。
  • 成田市立図書館(千葉県)では、2021年8月1日(日)から、電子書籍サービスを開始します。
  • 平塚市立図書館(神奈川県)では、2021年7月7日(水)から、平塚市電子図書館及びデジタルアーカイブを開設しました。
  • 輪島市立図書館(石川県)では、2021年8月1日(日)から「わじま電子図書館」が始まります。   
  • 土岐市立図書館(岐阜県)では、2021年6月15日(火)に、ときし電子図書館オープンのお知らせをしています。
  • 吹田市立図書館(大阪府)では、2021年7月1日(木)から電子図書館サービス「すいた電子図書館」が始まりました。
  • 尼崎市立図書館(兵庫県)では、2021年7月1日(木)から「あまがさき電子図書館」が始まりました。
  • 播磨町立図書館(兵庫県)では、電子図書館で播磨町の地域資料(議会だより、広報はりま、総合計画など)が、ログイン不要で読めます。 
  • 宇和島市図書館(愛媛県)では、2021年7月21日(水)から「宇和島市電子図書館」が開館しました。 

Webコンテンツ[編集]

  • みどり市立図書館(群馬県)では、一日図書館員体験講座が開催できないため、市のゆるキャラによる一日図書館員体験の動画を作成し配信しています。
  • 新潟県立図書館では、デジタルアーカイブ内に「デジタル画像を自宅で楽しむ」を公開しました。全国の図書館や博物館が提供しているデジタルアーカイブの中から、見て楽しく役に立つおすすめのサイトを紹介するリンク集として作成したそうです。
  • 沼津市立図書館(静岡県)では「新型コロナウイルス関連情報」ページに9月までのサービス情報を集約しました。トップページのバナーからアクセスできます。
  • 砺波市立砺波図書館(富山県)。FMとなみ「砺波図書館ブックナビ」特別編として砺波市YouTubeチャンネルで図書館を紹介しています。
  • 能登町立図書館(石川県)は2021年6月29日(火)に「能登町立図書館地域デジタル図書館」を公表しました。地域資料をデジタル化し公開しています。 
  • 猪名川町立図書館(兵庫県)ではWeb本棚サービス「ブクログ」で「猪名川町立図書館の本棚」をはじめました。図書館職員がテーマごとのオススメ本を紹介しています。
  • 伊予市立図書館(愛媛県)では、伊予市立図書館・文化ホールコラボレーション企画読み聞かせシリーズとして伊予市に伝わる昔話をまとめた本『伊豫市のむかし話伝説』から14のお話を読み聞かせ動画にしてYouTubeで配信しています[6]
  • 佐賀県立図書館では、2021年6月28日(月)から佐賀県立図書館データベースと国立国会図書館サーチとの連携が始まりました。国立国会図書館サーチを通じて、内閣府が中心となって推進している分野横断型のデジタルアーカイブ検索システム「ジャパンサーチ」とも連携するようになりました。
  • 鹿島市民図書館(佐賀県)では2021年7月24日(土)から、「おうちで楽しもう!第13回天の川お星さまおはなし会」の動画をYouTubeで公開しています。

情報発信[編集]

災害[編集]

  • 熱海市立図書館(静岡県)では、2021年7月6日(火)特別特集「災害に備える」展を開始しました。また、通行止めで通行困難な場所への移動図書館の巡回を中止しています。
  • 石垣市立図書館(沖縄県)では、2021年7月21日(水)付けで、台風接近時の石垣市立図書館の臨時休館について情報発信しています。台風接近により暴風警報が発令された場合は、来館者の安全確保のため臨時休館としています。
  • 浦添市立図書館では、2021年7月18日(日)付けで、開館中に暴風警報が発令された場合は発令確認の30分後に閉館、閉館中に暴風警報が解除された場合は解除の2~3時間後を目安に、準備が整い次第開館など、状況別の対応を案内しています。

Instagramの活用[編集]

網羅的ではありませんが、Instagramを活用している図書館を見つけたので掲載します。

  • 寒川総合図書館(神奈川県)[7]
  • 美濃加茂市中央図書館(岐阜県)[8]
  • 美濃加茂市東図書館(岐阜県)[9]
  • 多気町立多気図書館・勢和図書館(三重県)[10]
  • 守山市立図書館(滋賀県)[11]
  • 守口市立図書館(大阪府)[12]
  • 泉佐野市立図書館(大阪府)[13]
  • 三田市立図書館(兵庫県)[14]
  • 佐賀県立図書館 (佐賀県)[15]
  • 佐賀市立図書館(佐賀県)[16]
  • 鹿児島県立奄美図書館 (鹿児島県) [17]

メンバーによる活動報告[編集]

  • 2021年7月号『自治実務セミナー』「情報・知識のための「図書館」(仮称)を再設計(リ・デザイン)するー図書館のDXを踏まえて」(岡本真)にて、saveMLAK調査が紹介されています。
  • 2021年7月5日発行『「学び」をとめない自治体の教育行政』第3章に、covid-19libdataチーム呉服淳二郎の論考が掲載されています。
  • 図書館雑誌2021年7月号(Vol.115、№7)の「こらむ図書館の自由」にsaveMLAKの調査をもとにした「COVID-19と図書館と入館記録」の記事が掲載されました。

次回調査予定[編集]

次回の調査は8月の予定です。

調査データの公開[編集]

注釈[編集]