COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/05/21)について

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【39県の緊急事態宣言解除に伴い、ロードマップを示して再開する図書館も】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。5月20日から21日にかけて実施した第6回目の調査結果を発表します。今回の調査では「入館記録」「遠隔レファレンス」など、再開時の対応に併せて凡例の表記と対応する内容を見直しました。

調査の概要

調査日時
2020年5月20日(水)9時~2020年5月21日(木)21時(約36 時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1708館(前回1696館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者31人 (有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet Archiveに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

図1. 公共図書館の休館率(都道府県別)
  • 開館している図書館が913館となり、休館率は69%から47%になりました。開館が前回調査時の日程よりも前倒しになっているケースが見られました。
  • これまでの調査から、休館した図書館の平均休館日数は43日、最長は106日、最短は4日でした。
  • 休館中で、予約受取のサービスを再開した図書館が278館ありました。
  • 宅配サービスは75館から67館になりました。

開館に向けた動き

図2 : 継続するサービス・制限の集計結果

入館記録

入館記録を取っている図書館は32館から93館に増加しました。記入への協力は任意としている図書館は3館、目的を明示している図書館は17館、保管期間を明記している図書館は3館です。ウェブサイト上で入館記録の運用について具体的に書いている図書館は極めて少数でした。詳細な調査結果は入館記録のデータをご覧ください。

定数管理や分散化

市立岡谷図書館(長野県)は入館者数の上限を30人にし、ネームフォルダー及び入館者名簿で管理することにしています。

犬山市立図書館(愛知県)は、30分ごとの入替制で、上限の人数を30人に設定しています。

鹿児島県立図書館では、学習席の混雑状況をウェブサイトで公表しています。

いわき市立図書館(福島県)近江八幡市立図書館(滋賀県)吹田市立図書館(大阪府)は開館しましたが、高齢者や子ども、妊婦、基礎疾患を持っている人など感染リスクの高い人の優先時間帯を設定し、来館者に呼びかけています。

ロードマップの策定

都道府県立図書館が示すロードマップ

群馬県立図書館は5月16日付で「県立図書館の開館再開に向けて(今後の予定)」を発表し、(1)予約資料の受け渡しに限定したサービス再開、(2)一部開館(制限あり)の再開という段階を経て開館していくことを公表しています。

https://web.archive.org/web/20200520132010/https://www.library.pref.gunma.jp/index.php?key=jo928lefa-2504

沖縄県立図書館は「5.18~予約本貸出サービス再開(閲覧室には入れません)」の中で通常開館に向けてのロードマップを図示し、現在の段階(STEP1、予約本受け取りのみ、閲覧室立入不可)から新しい生活様式を徹底し開館(STEP2)へ向かう段階であることを示しています。

https://web.archive.org/web/20200520004109/https://www.library.pref.okinawa.jp/important/518.html

県立長野図書館は、「県立長野図書館の開館・サービス提供方針 一覧表」の簡易版早見表を公表し、県や国、図書館が所在する市の警戒レベルに準じてどのサービスを実施するかの方針を示しています。

https://web.archive.org/web/20200521124719/https://www.knowledge.pref.nagano.lg.jp/documents/189/housin_kanryaku.pdf

福岡県立図書館は5月から7月にかけてのサービス再開スケジュールを公開しています。

https://archive.vn/16IVE

市区町村図書館が示すロードマップ

上尾市図書館(埼玉県)は、5月18日「図書館サービス再開に向けた今後の予定」に今後3段階を経て開館していく方向を示しています。

対応の記録

鎌倉市図書館(神奈川県)は、「システム更新休館から、コロナウイルス感染拡大防止に伴う休館の遷移について」の更新記録を2月24日よりセルフアーカイブしています。

大阪市立図書館(大阪府)は、「新型コロナウイルス感染症拡大防止にかかる当館対応の経緯について」として時系列で対応の変更などの変遷をまとめ、セルフアーカイブしています。

新しいサービス

宇都宮市立図書館(栃木県)は、無病息災の縁起物「黄ぶな」の折り紙と「黄ぶな関連本リスト」を配布しています。

名古屋市立図書館(愛知県)は「ナゴヤの子どもたちに元気を!笑顔にするプロジェクト」の一環でツイッターで動画を配信し始めました。動画は図書館見学や工作、わらべうたなど。

岐阜県立図書館では、テレビ局とともにYoutubeチャンネルを作り、地元ゆかりの著名人に司書がインタビューした動画を配信しています。

真庭市立図書館(岡山県)は、自宅で過ごす時間が増えている市民に向けて、ボランティアとともに動画配信サービス「まにわとしょかんチャンネル」を開始しました。

オンラインイベント

富士吉田市立図書館(山梨県)は、5月16日にZoomを活用して「オンラインdeお産学校at図書館」というイベントを開催した。

生駒市図書館(奈良県)では、Youtubeを活用し、5月24日オンラインビブリオバトルが開催される。

緊急事態宣言に伴う図書館への休業要請について

今回の調査では、前回調査までに休業要請の解除が示されていなかった17都道府県が対象となりました。5月21日、大阪、兵庫、京都の緊急事態宣言が解除されました。この近畿3府県は、緊急事態宣言の解除より前に、先取りする形で図書館の休業要請を解除しました(ただし兵庫は「県立の博物館、美術館、図書館等(西播磨、但馬、丹波地域を除く)」として15日に解除しています)。北海道では、石狩管内に限定して休業要請に対応していました。首都圏4都県のうち、埼玉県は15日に図書館のみを解除、千葉は22日に図書館などを解除しました。東京都も22日に都知事会見および都のサイトに解除までのロードマップを提げ、ステージ1(緊急事態宣言解除後即対応)の施設として図書館を示しました。

この一週間の動き

青山学院大学の教育人間科学部准教授庭井史絵さんによる「2020新型コロナウィルス対策下の学校図書館活動」の事例収集が始まりました。随時アンケートフォームから事例を報告できます。

5月17日、Facebookグループの「図書館」(仮称)リ・デザイン会議 実行委員会がウェブサイトを公開しました。5月3日~4日にzoom開催した第0回会議の議事録を公開しています。

デジタルアーカイブ学会が「COVID-19 に関するアーカイブ活動の呼びかけ」を発表し、「日本国内におけるCOVID-19に関するアーカイブ活動調査のためのアンケート」が始まっています。

5月20日、日本図書館協会が「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインの「来館者名簿の作成」の運用に関する補足説明」(PDF)をリリースしました。5月14日に公開した「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」にも補足説明を参照するように追記を行いました。

5月22日、株式会社未来の図書館研究所が「新型コロナウイルス影響下の図書館:再開に向けた取組」を公開しました。


調査結果: 調査データの公開