COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/05/14)について

提供: saveMLAK
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感染症予防対策を講じながら、開館に向けての動きが活発化。

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。5月13日から5月14日にかけて実施した第5回目の調査結果を発表します。今回の調査では、サービス再開に伴う感染症対策の状況に重点をおいて調査しました。

調査の概要

調査日時
2020年5月13日(水)9時~2020年5月14日(木)22 時(約37 時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1696館(前回1692館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者38人 (有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet Archiveに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)


開館状況

図1. 図書館の休館率(都道府県別、2020年05月14日時点)


  • 休館している図書館数は基礎自治体で1138館(休館率約69%)、都道府県で26館(休館率55%)となりました。全体では前回調査の92%から69%とサービス再開の動きがあります。
  • 開館している532館のうち、閲覧席の利用を制限している図書館は196館ありました。
  • 閉館中でも予約受取を実施する図書館は263館ありました。
  • 開館している図書館で、来館者に入館記録を求めている図書館は32館ありました。

緊急事態宣言以後の新しいサービス

ドライブスルー貸出

 ドライブスルー形式での貸出を実施する図書館は、6館ありました。

 常総市立図書館(茨城県)では、休校中の小中学生を対象にドライブスルー貸出を実施しています。

 宇部市立図書館(山口県)では、利用者同士の接触感染を避けるためドライブスルー方式での予約資料貸出を行っています。

(事例)

宅配貸出

 宅配や郵送などにより貸出するサービスをしている図書館は、75館ありました。サービス再開が進む中で、これらのサービスが定着して継続されるかは注目されます。

 上富田町立図書館(和歌山県)では、子どもたちを対象にした児童書だけでなく、乳幼児を育児中の方に向けた本の宅配も行われています。 宮若市立図書館(福岡県)では、外出自粛期間のおうち時間充実のためた本の配送を始めました。

(事例)

開館に向けた動き

 ウェブサイト上で、感染症拡大の予防を目的とした図書館側の対策を明示しているところは407館(23%)ありました。開館している図書館では、532館中283館(53%)が明示していました。39都道府県で緊急事態宣言が解除されたことにより、今後もサービス再開が進むと考えられます。

感染症対応策の発信

 大崎市図書館(宮城県)では、感染症対応策について「図書館が実施すること」「利用者の皆様に協力をいただくもの」と主語を具体的にして明示しています。

 松阪市図書館(三重県)では、感染症対策について、表と館内の写真を用いて分かりやすく発信しています。

 杵築市図書館(大分県)では、事前取り置きサービスによる滞在時間短縮のための取組を実施。また、入館と退館の場所を分ける、20分ごとの入替制とするなど、3密状態を防ぐように対策しています。

(事例)

制限のある状況をポジティブに伝える工夫

 予約制での入館を貸切図書館として表現した東川町(北海道)の「あなただけほんの森」というサービスがあります。

 また、浦安市(千葉県)では「司書のおすすめ本 開館後に読む本を探そう」というブックリストを公開しています。

 図書館に入館できず、自分に合う本が選べないという市民に向けて、塩尻市(長野県)ではおすすめブックセット「テイクアウトメニュー」を、早島町(岡山県)では 図書館職員が本を選ぶ「選書サービス」を行っています。

(事例)

情報発信の事例

 定型的な案内だけでなく、図書館員の人柄や利用者との関係が見えるメッセージを発信している図書館もあります。

 四日市市立図書館(三重県)では、図書館からのお知らせで「児童室よりおすすめ本の紹介」の案内をしながら子どもたちに呼びかけています。湧水町くりの図書館(鹿児島県)では「休館中の執行業務について(ご報告)」として、休館中のスタッフの取り組みを写真付きで紹介しています。

(事例)

場の提供

 西粟倉村(岡山県)では、休校中の高校生・大学生に学習の場を提供するとして、あわくら会館・あわくら図書館を解放しています。遠隔授業用のプロジェクターの貸出も行っています。吉川市立図書館(埼玉県)では、小中学生のための学習支援として日時を決めて児童・生徒に図書館を開放しています。

(事例)

この一週間の動き

 東北大学の小陳さんが個人的に国立大学図書館の開館状況の調査を実施し、saveMLAKに情報提供をしてくださいました(5月9日現在の情報)。

 大学教員など、研究者による「図書館休館対策プロジェクト」が図書館の休館が研究に与える影響をアンケート調査しています

 5月4日、内閣総理大臣の記者会見で緊急事態宣言の延長が伝えられました。美術館・博物館・図書館については感染症拡大予防対策を講じた上での開館の可能性が示されました。

 栃木県は、5月7日に「施設に応じた感染防止対策の徹底が行われている施設は除く」として自粛要請を事実上解除し、5/31までとしていた休業要請を5/10に変更しました。

 5月14日、39都道府県の緊急事態宣言が解除されました。また同日、日本図書館協会から「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」が示されました。

今後の予定

 次回、第6回の調査は、5月20日(水)、21日(木)を予定しています。

調査結果: 調査データの公開