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COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/06/4)について
【現在、編集中】
saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。6月4日から6日にかけて実施した第7回目の調査結果を発表します。今回の調査では「貸出返却のみ」など、再開時の対応に併せて凡例の表記と対応する内容を見直しました。
調査の概要
- 調査日時
- 2020年6月4日(木)9時~2020年6月6日(土)18時(約57 時間)
- 調査方法
- ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
- 調査対象
- 全国の公共図書館・公民館図書室等、1708館(前回1708館)
- 調査主体
- saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者28人 (有志)
- 調査条件
- 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
- 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
- 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
- この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
- 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
- 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
- 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
- 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
- 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet Archiveに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
- 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
- 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください
開館状況
- 最後まで5都道県(北海道・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)に出されていた緊急事態宣言が5月25日に解除されました。それにともない、特別措置法にもとづく図書館に対する休業要請も解除されました。
- 休館している図書館は127館となり、休館率は47%から7%になりました。うち101館は予約受取を実施しており、宅配や遠隔レファレンスを行っている図書館も3館あります。
- 貸出返却のみ行っている図書館は178館ありました。
- 滞在時間の短縮のため、閲覧席の利用を制限している図書館は540館ありました。
- 入館記録を取っている図書館は開館が増えた影響もあり93館から289館に増加しました。開館している図書館のうち18%が入館記録を取っている状況です(前回は10.1%でした)。都道府県立図書館47館のうち、13館が入館記録をとっていました。一方で、鎌倉市図書館(神奈川県)のように入館記録を求めないと明示する図書館もあります。
- 新聞・雑誌の閲覧制限をしている図書館は428館ありました。
- インターネット端末の制限を行っている図書館は478館ありました。
再開にあたっての動き
感染予防の取り組み
中央区立日本橋図書館(東京都)では館内で行っている感染症予防対策を写真付きで紹介しています。
図書館内で利用者が共用するものについての対策として、市立伊那図書館(長野市)は端末を使用する際にヘッドフォンを持ってくれば使用可能としています。
東温市立図書館(愛媛県)では図書館バッグの貸出を見合わせ、利用者にマイバッグ持参を呼び掛けています。
また、対面での接触機会を減らすために、市立小諸図書館(長野県)のように自動貸出機の利用を推奨する館もあります。
- 中央区(東京都)
- 伊那市(長野県)
- 小諸市(長野県)
- 東温市(愛媛県)
混雑状況のお知らせ
半田市立図書館(愛知県)では、ツイッターを使って開館時間中は1時間に1度混雑状況をお知らせしています。
函館市中央図書館(北海道)・横浜市立図書館(神奈川県)・知多市立中央図書館(愛知県)では、図書館サイトに当日の混雑状況を顔マーク・記号・色を使って時間帯毎に表現しています。
- 半田市(愛知県)「混雑状況をツイッターでお知らせしています」
- 函館市(北海道)「図書館の再開について」
- 横浜市(神奈川県)「混雑予測」
- 知多市(愛知県)「図書館混雑状況」
新しいサービス
葛飾区立図書館(東京都)では、子ども司書クラブのメンバーが休校中に何をしていたかレポートを公表しています。
三鷹市立図書館(東京都)では、図書館が刊行する『三鷹文学散歩』の発刊30周年記念展示をオンラインで開催しています。
奈良市立図書館(奈良県)、八王子市立図書館(東京都)では、オーディオブックを配信するサービスを開始しました。
佐倉市立図書館(千葉県)は「家で読む・学ぶ・楽しむためのページ」を作ってオンラインで読書・視聴できるコンテンツを紹介しており、随時更新して充実させています。
- 葛飾区(東京都)
- 三鷹市(東京都)
- 奈良市(奈良県)
- 八王子市(東京都)
- 佐倉市(千葉県)
ビジネス支援
まんのう町立図書館(香川県)では、図書館のブログでスタッフが地元の伝統工芸品である織物を使ったお揃いのマスクをしていることを挙げ、地元の産業のPRと関連図書の紹介をしています。
高知県立図書館では、地元企業が開発した新型コロナウイルス感染症対策商品を館内で展示しています。
- まんのう町(香川県)
- 高知県立図書館
独自のマニュアル等(ガイドラインやロードマップ、チェックリストなど)
新宿区立図書館(東京都)では図書館での「感染予防対策」と「利用者の皆様へのお願い」をポスターにして公表しています。
市立伊那図書館(長野県)では、インフォグラフィックな「新型コロナウイルス感染防止対策」のポスターを作成し公表しています。
読谷村立図書館(沖縄県)では「読谷村立図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」「図書館利用にあたってのチェックリスト 大人用」「としょかんをつかうときのおやくそく 子ども用」を公表しています。
- 新宿区(東京都)
- 伊那市(長野県)
- 読谷村(沖縄県)
前回調査からの動き
埼玉県立図書館は、5月23日にTwitterで図書館資料を利用する前後に手を洗うことを呼びかけました。
日本図書館協会は5月28日に「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の作成経緯・作成過程について」を公表しました。
埼玉県図書館協会は、埼玉県の要請に基づき、5月29日に「安心安全宣言」を出しました。埼玉県からの認定証も公表されています。
5月31日、国立大学図書館の開館状況調査が更新されました。
株式会社カーリルは、6月1日、ブログに「これまでとこれから」を公表し、利用者目線での図書館利用方法を呼びかけています。また「Stay at home… Keep reading!」というキーワードでポスターをデザインし、CC0で自由利用できるようにしています。
6月6日、図書館総合展運営委員会は第22回図書館総合展をオンライン開催すると発表しました。
- 埼玉県立図書館Twitter
- 日本図書館協会
- 埼玉県図書館協会
- カーリル:これまでとこれから
- 第22回図書館総合展(オンライン開催)
メディアによる調査結果の活用
図書館の休館がニュースに取り上げられる機会が増え、saveMLAKの調査データが活用されました。また、調査参加者への取材もありました。
- 中日新聞 2020年5月6日朝刊
- 日本経済新聞 2020年5月16日朝刊
- 上毛新聞 2020年5月21日朝刊
- withnews 2020年5月28日
- NHKニュース 2020年5月31日(←SignageNews「ニュース7」を含む)
今後の予定:メンバーによる活動報告
Code4Lib JAPAN Conference 2020(2020年6月20・21日)
- ICTツールを活用した、COVID-19の影響による図書館の動向調査の取り組み(常川真央)
- http://wiki.code4lib.jp/wiki/C4ljp2020/program ※オンライン開催、発表は二日目
saveMLAK報告会2020(2020年6月28日)
- 基調講演:図書館の動向調査の⽴ち上げと、ひろがり。 −「COVID-19 : 多くの図書館が閉館しています」(吉本⿓司、常川真央)