COVID-19の影響による図書館の動向調査(2022/06/01)について

提供:saveMLAK
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【政府による制限が解除。COVID-19を理由とした休館は2館に】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。 2022年5月27日(金)から6月1日(水)にかけて実施した第29回目の調査結果を発表します。 調査時点でまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象となっている都道府県はありません。 COVID-19を理由とする休館は2館でした。 一律の制限はなく、各地域の状況に応じ、各自治体や広域圏での対策が取られるようになりました[1]。 また、基本的対処方針に基づく対応に「マスクの着用」について記載されました。 厚生労働省の「マスク着用の考え方及び就学前児の取扱いについて」の資料には、屋内でのマスク着用の必要のない例として、距離を確保した上での図書館での読書や芸術鑑賞が挙げられています。

調査の概要

調査日時
2022年5月27日(金)10時から6月1日(水)2時まで 112時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1738館(前回1737館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者12人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

  • COVID-19の影響により休館している図書館は2館でした。
  • 災害等で休館している図書館は6館でした。
  • 入館記録を取っている図書館は234館となり、前回の252館から減少しました。
休館率全国地図(2022年04月27日時点)
都道府県コード 都道府県 合計 入館記録 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
01 北海道 180 27 0 0 0 0.00%
02 青森県 39 6 0 0 0 0.00%
03 岩手県 34 11 0 0 0 0.00%
04 宮城県 36 3 0 1 1 2.78%
05 秋田県 26 1 0 0 0 0.00%
06 山形県 36 10 0 0 0 0.00%
07 福島県 58 4 1 4 5 8.62%
08 茨城県 45 11 0 0 0 0.00%
09 栃木県 26 4 0 0 0 0.00%
10 群馬県 36 4 0 0 0 0.00%
11 埼玉県 64 18 0 0 0 0.00%
12 千葉県 55 26 0 0 0 0.00%
13 東京都 61 5 0 0 0 0.00%
14 神奈川県 34 3 0 0 0 0.00%
15 新潟県 31 6 0 0 0 0.00%
16 富山県 16 0 0 0 0 0.00%
17 石川県 20 1 0 0 0 0.00%
18 福井県 18 4 0 0 0 0.00%
19 山梨県 25 7 0 0 0 0.00%
20 長野県 72 8 0 0 0 0.00%
21 岐阜県 43 14 0 0 0 0.00%
22 静岡県 36 3 0 0 0 0.00%
23 愛知県 55 8 0 0 0 0.00%
24 三重県 29 3 0 0 0 0.00%
25 滋賀県 20 1 0 0 0 0.00%
26 京都府 27 4 0 0 0 0.00%
27 大阪府 44 9 0 0 0 0.00%
28 兵庫県 42 7 0 0 0 0.00%
29 奈良県 33 5 0 0 0 0.00%
30 和歌山県 30 4 0 0 0 0.00%
31 鳥取県 20 1 0 0 0 0.00%
32 島根県 19 1 0 0 0 0.00%
33 岡山県 27 2 0 0 0 0.00%
34 広島県 24 0 0 0 0 0.00%
35 山口県 19 1 0 0 0 0.00%
36 徳島県 22 3 0 0 0 0.00%
37 香川県 18 1 0 0 0 0.00%
38 愛媛県 21 5 0 0 0 0.00%
39 高知県 30 1 0 0 0 0.00%
40 福岡県 60 8 0 0 0 0.00%
41 佐賀県 21 0 0 0 0 0.00%
42 長崎県 22 0 0 0 0 0.00%
43 熊本県 41 8 0 0 0 0.00%
44 大分県 19 1 0 0 0 0.00%
45 宮崎県 27 3 1 0 1 3.70%
46 鹿児島県 44 0 0 0 0 0.00%
47 沖縄県 32 0 0 0 0 0.00%
合計 1737 252 2 5 7 0.40%

前回調査からの動き

  • 国が「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を更新しマスクの着用について、2022年5月23日(月)から一定の条件下で緩和する方針を発表しました[2]。屋内で身体的距離を確保でき、会話がほとんどない場合、着用の必要がない例として、図書館や芸術鑑賞が例示されています。図書館での緩和の動きが報道されています[3]
  • 日本図書館協会では「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(基本的対処方針)が一部変更されたことも含め、「図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」の更新を予定しています。更新までの期間に、マスクに関しては基本的対処方針に基づいて対応するよう呼びかけています[4]
  • マスクの着用に関し、都道府県立図書館など、いくつかの自治体は対応を変更しています。国立国会図書館のカレントアウェアネス-Rに日本図書館協会の対応も含め2022年6月1日(水)付で速報が掲載されています[5]
  • 今回の調査中にマスクに関する対応を変更した自治体は各館の状況・取り組み中「マスクの着用について」の節にまとめています。

2022年3月福島県沖地震関連の情報

2022年3月16日(水)の福島県沖地震について、ウェブサイト上で確認できたものを紹介します。
saveMLAKのウェブサイトにも【2022年3月福島県沖地震】のページを新設しました。
追加情報を求めています。
  • 名取市市立図書館(宮城県)では、地震被害の復旧工事が5月31日(火)から6月7日(火)まで行われます。期間中、図書館は開館しています。
  • 伊達市立図書館(福島県)では、地震の影響により建物に破損があるため学習室を利用禁止にしています。
  • 郡山市立中央図書館(福島県)は、2022年3月16日(水)に発生した福島県沖地震のため、追加の復旧修繕を行っていましたが、2022年6月1日(水)から全面開館しました。

各図書館の状況・取り組み

感染症対策

  • 横浜市立図書館(神奈川県)は2022年4月1日(金)から貸出可能冊数を6冊から10冊に変更しました。
  • 富士吉田市立図書館(山梨県)では、毎日14時50分から10分間、全館を消毒しています。消毒作業にあたり利用者は一旦退館するようになります。
  • 愛知県図書館では、愛知県厳重警戒の間、貸出延長回数の制限をなくしました。また、開館時間中も入館しない方のみ返却ポストを利用できるようにしました。
  • 弥富市立図書館(愛知県)では、コロナ禍でも本ある暮らしをもっと楽しんでいただくためにと貸出点数を1人10点に増やしました。
  • 長久手市中央図書館(愛知県)では、新型コロナウイルスの影響により返却できない場合の対応について、個別に対応するとしています。
  • 伊方町立図書館(愛媛県)では、2022年4月14日から当面の間、県内の方のみ利用可能としています。

対策緩和・特例措置の終了

  • 秋田県立図書館は新型コロナウイルス感染症対策として実施していた入館時の受付を2022年3月末で終了しました。
  • 瑞浪市民図書館(岐阜県)は新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、貸出の上限冊数15冊・3週間としていましたが、2022年4月1日(金)より通常の上限冊数と期間(10冊・2週間)に戻しました。
  • 善通寺市立図書館(香川県)では2022年3月22日(火)から、まん延防止等重点措置の解除に伴い、館内での飲食が可能となりました。ただし黙食・飲食時以外はマスクを着用することとしています

非接触・非対面のサービス

  • 恵庭市立図書館(北海道)恵庭分館にて、無人開館を開始します。複合施設「えにあす」の開館時間中は、セルフ貸出機での貸出や資料の閲覧が可能です。
  • 那珂川町図書館(栃木県)では、2022年4月1日(金)から電話での資料予約受付を開始しました。
  • 燕市立図書館(新潟県)では、2022年4月1日(金)から電子図書館の利用登録を来館せずにオンラインでできるようになりました。
  • 大垣市図書館(岐阜県)では、2022年4月1日(金)から開催の所蔵品展「資料でたどる大垣城の歴史展」が、ミュージアム展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」で利用できるようになりました。
  • 大津市立図書館(滋賀県)では、図書館の利用者登録の電子申請サービスを開始しました。
  • 中津市立図書館(大分県)では2021年12月24日(金)から、市役所のウェブサイト経由で図書館カードの発行申請ができるようになりました。
  • 延岡市立図書館(宮崎県)も感染急増圏域の指定のため2022年4月24日(日)まで県内在住者に利用を限定していました。
  • 出水市立図書館(鹿児島県)では、新規感染者の継続的な発生により、当面の間利用人数の上限を設定することにりました。

感染者急増に伴う利用制限

  • 麻績村・おみ図書館(長野県)では、新型コロナウィルス感染症の新規感染者数の増加を受け、2022年4月20日(水)から4月30日(土)まで、開館時間を短縮していました。
  • 宮崎市図書館(宮崎県)では、感染急増圏域(赤圏域)指定の再延長を受け、2022年4月24日(日)まで、貸出・返却など業務を限定して開館してい

郵送・宅配貸出

  • 川崎市立図書館(神奈川県)2022年4月1日(金)から在勤・在学利用者も有料宅配サービスが利用可能になりました。
  • 池田町立図書館(福井県)では、つながる図書館「ぶっ来る」というネーミングで読書意欲、学習意欲がありながら、自宅待機・外出制限で家を出れない など自ら図書館へ来ることができない方に図書を配送するサービスをしています。
  • 武雄市図書館(佐賀県)、期間限定で行っていた図書宅配貸出サービス「おうちで図書館」を2022年4月から恒常的に実施するようになりました。妊娠・子育て中の方や高齢者を対象とし、登録を行うと図書館スタッフが自宅まで本を届けるサービスで、返却も可能です。
  • 出水市立図書館(鹿児島県)では、来館できない方に宅配を行う「本で見守り隊」というサービスを実施しています。

電子図書館・電子書籍サービス

  • 京都府立図書館、2022年4月30日(土)より、電子書籍・オーディオブックの利用開始
  • オーテピア高知図書館とオーテピア高知声と点字の図書館は共同で図書館等向けの電子雑誌閲覧サービス「Kono Libraries」(コノ ライブラリーズ)日本で初めて導入し、2022年4月1日(金)から利用開始

オンラインイベント

  • 多治見市図書館(岐阜県)ではオンライン講演会『ゼロからはじめる英語多読』を2022年6月26日(日)に開催します。


情報発信

SNS

年次報告会開催

saveMLAKの2022年年次報告会を開催します。
2022年7月2日(土) 14:00- オンラインで開催予定です。

次回調査予定

  • 次回の公共図書館調査は2022年5月27日(金)から5月30日(月)です。

調査データの公開