COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/06/20)について

提供:saveMLAK
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【現在編集中】

休館率は1.6%、イベントを再開する図書館も

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。6月18日(木)から20日(土)にかけて実施した第8回目の調査結果を発表します。

調査の概要

調査日時
2020年6月18日(木)9時~2020年6月20日(土)23時(約62時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1718館(前回1715館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者26人(有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet Archiveに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

継続するサービス・制限の集計結果
入館記録全国地図(都道府県別、2020年6月20日時点)
  • 休館している図書館は27館(1.6%)に減少しました。
  • 貸出返却のみのサービスを行っている図書館は170館(前回178館)です。
  • 入館記録を取っている図書館は345館(前回289館)となりました。
  • 館内の利用制限は継続中で、閲覧席の利用を制限する図書館は476館(前回540館)、インターネット端末を制限している図書館は423館(前回478館)ありました。
  • 郵便貸出・宅配を行っている図書館は21館に減少しました。

再開にあたっての動き

イベントの再開

天栄村(福島県)文化の森てんえい「図書室」では、「今月から読み聞かせ会が始まります」と6月21日に小学生低学年親子向けに読み聞かせ会の開催告知をしています。

四万十市立図書館(高知県)では、新型コロナウイルス感染拡大対応のため中止していた雑誌の譲渡会を再開しています。

イベントの実施方法変更

久留米市立図書館(福岡県)筑紫野市立図書館(福岡県)では、会場に集まって行うブックスタートの中止を受けて、予約制の個別配布によるブックスタートを実施しています。

休館日の変更

福津市立図書館(福岡県)。再開直後は利用者が多くなることを鑑み、一定期間は休館日を設けないという対応をしています。筑前町コスモス図書館(福岡県)でも、6月は休館日を設けないことをお知らせしています。 多治見市図書館(岐阜県)では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、蔵書点検の延期を告知しています。

感染症対策

郡上市立図書館(岐阜県)では、感染症対策について具体的にしています。

マスクの提供

九重町立図書館(大分県)では、マスクの無い方向けに有料で事務室にて購入できますとしています。

書類の取り扱い、事前対応

印西市立図書館(千葉県)では、申込書類をWEBサイトに掲載し、館内滞在時間短縮のため、リクエストカードや図書館カード申込書をご自宅で印刷し、事前に記入して図書館にお持ちいただくこともできます、としています。

刈谷市図書館(愛知県)では、新規登録についてWEBページにて申込書(PDF)を公開。「事前に記入してお持ちください」としています。

三田市立図書館(兵庫県)では、調査・相談(レファレンス)について「長く時間が掛かる事が想定される調査内容の場合は、事前に紙に整理をお願いします。」と告知しています。

豊見城市立図書館(沖縄県)では、インターネットで利用申し込みを行っており、Googleフォームで受付、事前に申し込んだ上で、証明書を持参してカード受取。カード受取前にウェブ予約はできるようにしているとのこと。

その他工夫

鎌倉市図書館(神奈川県)では混雑予想を作成しています。

さいたま市図書館(埼玉県)では、図書館職員がテーマ別に2冊選び、袋詰めをした『時短パック』を作成しています。

入館記録関連

苅田町立図書館(福岡県)、氏名ではなく電話やメールなど連絡先情報のみの記入をお願いする『連絡先だけカード』を用意しています。周知にあたっては、KADOKAWAに許諾を得て映画作品『君の名は。』を使った広報を行っています。

府中市立図書館(東京都)では、来館記録を取らないと宣言しています。

埼玉県狭山市では、利用者自身が利用記録を取るよう勧めています。海老名市立図書館(神奈川県)は利用者自身による記録を勧めると共に、利用者が希望すれば図書館で記録を保管することや、追跡アプリの使用を勧めています。

オリジナルコンテンツ

岐阜県立図書館では、「おうちで学習応援ページ」「在宅勤務応援ページ」と題して情報をまとめています。

三重県立図書館では、自宅にいながら三重県立図書館を見学できる動画「おうちで図書館探検隊」を公開しています。

YouTube・Facebook・Zoomの活用

県立長野図書館では、公式のYouTubeチャンネルを開設しました。

高山市図書館(岐阜県)では、ZoomとYouTubeを用いたイベントのライブ配信が行われました。

鈴鹿市立図書館(三重県)では、鈴鹿市立図書館のおともだちこぐまのベルボンとその仲間たちが登場するデジタル紙芝居をFacebookで公開しています。

美馬市立図書館(徳島県)では、「リモートおはなし会」として、Facebookを活用したおはなし会を実施しています。

参加型の企画

鹿角市花輪図書館(秋田県)では、よるとしょソーシャルディスタンス 「本」を書こう!として、図書館と執筆希望者によるリレー形式でストーリーが進められ、一編の物語(2万字程度)を作り上げるイベントを進めています。

名古屋市(愛知県)の千種図書館では、「この本、おもしろかったよ!~スティホーム期間中、みんな何読んだ?~」として、文章や絵を募集しています。同じく名古屋市の名東図書館では、「コロナにまけるな!キャンペーン めいとうキッズ絵画ぼしゅう」として、絵を募集しています。

ぬりえの配信

豊川市中央図書館(愛知県)開館はしていますが、館内でのぬりえができないため、オリジナルキャラクターのぬりえダウンロードを継続しています。

恩納村文化情報センター(沖縄県)では、アマビエとオリジナルキャラクター「よむぞう」のコラボぬりえを公開しています。

アーカイブ活動

瀬戸内市立図書館(岡山県)では、新型コロナウイルス感染症に関する資料と写真の募集を開始しました。

前回調査からの動き

6月19日、県境をまたいだ移動が可能になり、厚生労働省から「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application」というアプリがリリースされました

6月21日、国立大学図書館の開館状況調査が更新されました。

6月1日、埼玉県越谷市のデザイン会社DRESSERSから図書館での新型コロナ対策マナーポスター『LIBRARY編』がリリースされました。無料でダウンロードし利用できます。

6月18日、ポプラ社から「#ねずみくんのおもいやり。」という書店・図書館向け感染症予防ポスターが発表されました。

絵本のキャラクターとコラボした手洗いポスターとしては、福音館書店の『オニのサラリーマン』『バルバルさん』のポスターもあります。

6月21日、Code4Lib JAPAN Conference 2020にて、本調査についての発表が行われました。

コロナお知らせシステム関連

都道府県単位でオリジナルのコロナ追跡システムが作られ(8都道府県)、図書館等公共施設で活用する事例が散見されました。また、政令指定都市でも同様のシステムを作成しているところがあります。

メディアによる調査結果の活用

この調査の結果がメディアに取り上げられました。

今後の予定:メンバーによる活動報告

  • saveMLAK報告会2020(2020年6月28日)
    • 基調講演:図書館の動向調査の⽴ち上げと、ひろがり。 −「COVID-19 : 多くの図書館が閉館しています」(吉本⿓司、常川真央)
    • https://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:Event/20200628 ※オンライン開催

調査結果: 調査データの公開