「あなたの撮った貴重な写真が永く利用されるために」の版間の差分

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== The photo you have taken could be very valuable in the future! ==
  
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今次の大震災にあたり、多くの方々が被災や復興のすがた、あるいは被災前の風景などを画像や映像で記録し、ネット上で公開しておられます。
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こうした活動は、いまの状況を人々に広く伝えると同時に、後からは二度と得ることのできない貴重な資料として後の世代に伝えるという価値も持っています。
  
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近い、あるいは遠い将来、出版物やウェブサイトを作る人が、当時の状況を伝える記録として、あなたの資料を使いたいと望むかもしれません。たとえば、写真1枚といえども著作権がありますから、使うにはあなたの許諾が必要です。
  
== いつかあなたの撮った写真が必要とされるかも? ==
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そうした申し出があれば、そもそも自分の画像や映像をネットで広く公開されたあなたは、よろこんで許諾されるのではないでしょうか。
 
 
今次の大震災にあたり、多くの方々が被災や復興のすがた、あるいは被災前の風景などの写真を撮られ、ネット上で公開しておられます。
 
 
 
こうした活動は、いまの状況を人々に広く伝えると同時に、後からは二度と得ることのできない貴重な記録として後の世代に伝えるという価値も持っています。自治体や企業が調査のために撮影した写真も、同様に貴重な記録です。その写真には、誰かにとってかけがえのないものが写っていることが、あとになって気付かれるかもしれません。あるいは、震災前の風景の写真を残している方もいるでしょう。
 
 
 
近い、あるいは遠い将来、出版物やウェブサイトを作る人たちが、震災の研究をする人たちが、当時の状況を伝える記録として、あなたの写真を使いたいと望むかもしれません。
 
 
 
おそらく、写真を公開されている方々の中には、自由に使ってもらって構わないと考えている方も多いと思います。しかし、写真1枚といえども著作権がありますから、使うにはあなたの許諾が必要です。しかし何年後かも何十年後かもしれないその時、確実にあなたに連絡がつく保障はありません。
 
 
 
実例があります。神戸大学の震災文庫では、1995年の阪神大震災の資料を収集・保存し、一部をインターネットで公開しています。公開された写真やビデオ映像を、出版やテレビ放送、地域の防災訓練などに利用したいという申し出は年々増え、今では1年間に50件以上よせられてます。
 
 
 
利用の申し出があった場合には、許可してよいかどうかを撮影された方に問い合わせる必要がありますが、震災から15年以上を経た現在では、既に連絡のつかなくなってしまった方もいらっしゃいます。これから年月を経るにつれ、そのようなケースが増えていく、つまり貴重な資料が使えなくなっていくおそれがあります。
 
 
 
そこで提案です。もしできるならば、あなたの写真を多くの人が共有できるように、利用条件を示していただけないでしょうか。
 
  
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しかし何年後かも何十年後かもしれないその時、確実にあなたに連絡がつく保障はありません。
  
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しかし、画像や映像をネットにアップされるとき、少しの手間をかけていただくことで、出版物などへの「二次使用」が簡単に行え、結果的にあなたの写真が利用される可能性を拡げることができます。
  
 
== ライセンス表示をしましょう! ==
 
== ライセンス表示をしましょう! ==
  
将来あなたの作品を誰かが利用しやすくするためには、写真をネットで公開する時に利用条件、つまり「ライセンス」を表示しておけばOKです。
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さて、将来あなたの作品を誰かが簡単に利用するためには、記録をネットで公開する時に利用条件、つまり「ライセンス」を表示しておくことが必要です。
  
 
=== 【方法その1】自分で表示 ===
 
=== 【方法その1】自分で表示 ===
  
写真をアップする時に、サイト(ブログのプロフィール欄など)や写真1枚1枚のキャプションに条件を書いておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。
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写真をアップする時に、サイト(ブログのプロフィール欄など)や画像や映像一つひとつのキャプションに条件を書いておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。
  
 
例:
 
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「クリエイティブ・コモンズ」という団体が決めているライセンスがあります。そのマークを自分のブログや写真に表示しておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。
 
「クリエイティブ・コモンズ」という団体が決めているライセンスがあります。そのマークを自分のブログや写真に表示しておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。
  
ライセンスの一例:[http://creativecommons.org/choose/results-one?q_1=2&q_1=1field_commercial=y&field_derivatives=y&field_jurisdiction=jp&field_format=&field_worktitle=&field_attribute_to_name=field_attribute_to_url=&field_sourceurl=&field_morepermissionsurl=&lang=ja&n_questions=3 〈CC BY のアイコン〉あるいはアイコン作成ページへのリンク]  
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ライセンスの一例:[http://creativecommons.org/choose/results-one?q_1=2&q_1=1field_commercial=y&field_derivatives=y&field_jurisdiction=jp&field_format=&field_worktitle=&field_attribute_to_name=field_attribute_to_url=&field_sourceurl=&field_morepermissionsurl=&lang=ja&n_questions=3 〈CC BY〉のアイコン作成ページへのリンク]  
  
 
このようなアイコンは次のサイトで作成してくれます:
 
このようなアイコンは次のサイトで作成してくれます:
「あなたの作品にライセンスを付与する」http://creativecommons.org/choose/
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「あなたの作品にライセンスを付与する」[http://creativecommons.org/choose/]
  
 
さらに詳しくはこちらをご覧ください:
 
さらに詳しくはこちらをご覧ください:
「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」http://creativecommons.jp/licenses/
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「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」[http://creativecommons.jp/licenses/]
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※なお[http://www.flickr.com/ Flickr]や[http://commons.wikimedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 ウィキメディア・コモンズ]などのサイトは、自分が選んだライセンスを表示する機能を持っています。このようなサイトを使うのも一つの方法です。
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== これから写真を提供してくれようとしている方は ==
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flickrで、写真を集めることをはじめています。詳しくは「[[Photo archives]]」のページを参照してください。
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== ところで「営利」「非営利」って? ==
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神戸大学[http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/index.html 震災文庫]の例です。何人かの資料提供者の方々からは「非営利であれば問い合わせなく利用していただいて構わない」との許可を得ています。
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しかし「営利」「非営利」とは何を指すのでしょうか? 例えば自治体主催だが説明は私企業が行う耐震建築のセミナーに使いたいというような希望もあり、主催者は「自治体だから非営利」と考えているようですが、資料提供者によってはこの場合は「営利」と規定している方もいます。
  
※なお[http://www.flickr.com/ Flickr]などのサイトは、自分が選んだライセンスを表示する機能を持っています。このようなサイトを使うのも一つの方法です。
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使用料が支払われないのだから「営利企業に使ってほしくない」と考える気持ちは分かるのですが、営利かどうかの判断が難しい場合も多く、たとえそれが直接的に利潤を目的としたものでないとしても、「非営利のみ可」という条件があることによって結局利用しにくくなってしまうのが実情です。
  
--[[利用者:Suedam.openid.ne.jp|Suedam.openid.ne.jp]] 2011年4月8日 (金) 05:09 (UTC) by @kobekernel @W_T_josoken
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ですので、クレジットをつける際には、作成者のクレジットさえ明示すれば「営利」「非営利」を問わず使用できるようにすることを推奨したいと思います。

2011年7月19日 (火) 14:13時点における最新版

The photo you have taken could be very valuable in the future![編集]

今次の大震災にあたり、多くの方々が被災や復興のすがた、あるいは被災前の風景などを画像や映像で記録し、ネット上で公開しておられます。 こうした活動は、いまの状況を人々に広く伝えると同時に、後からは二度と得ることのできない貴重な資料として後の世代に伝えるという価値も持っています。

近い、あるいは遠い将来、出版物やウェブサイトを作る人が、当時の状況を伝える記録として、あなたの資料を使いたいと望むかもしれません。たとえば、写真1枚といえども著作権がありますから、使うにはあなたの許諾が必要です。

そうした申し出があれば、そもそも自分の画像や映像をネットで広く公開されたあなたは、よろこんで許諾されるのではないでしょうか。

しかし何年後かも何十年後かもしれないその時、確実にあなたに連絡がつく保障はありません。

しかし、画像や映像をネットにアップされるとき、少しの手間をかけていただくことで、出版物などへの「二次使用」が簡単に行え、結果的にあなたの写真が利用される可能性を拡げることができます。

ライセンス表示をしましょう![編集]

さて、将来あなたの作品を誰かが簡単に利用するためには、記録をネットで公開する時に利用条件、つまり「ライセンス」を表示しておくことが必要です。

【方法その1】自分で表示[編集]

写真をアップする時に、サイト(ブログのプロフィール欄など)や画像や映像一つひとつのキャプションに条件を書いておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。

例: 「この写真は次のクレジット表示をしていただく条件で、転載自由です。撮影:○○○○ URL:×××××」 「転載不可」 ... etc

【方法その2】クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを表示[編集]

「クリエイティブ・コモンズ」という団体が決めているライセンスがあります。そのマークを自分のブログや写真に表示しておけば、利用したい人はそれに従って利用できます。

ライセンスの一例:〈CC BY〉のアイコン作成ページへのリンク

このようなアイコンは次のサイトで作成してくれます: 「あなたの作品にライセンスを付与する」[1]

さらに詳しくはこちらをご覧ください: 「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは」[2]

※なおFlickrウィキメディア・コモンズなどのサイトは、自分が選んだライセンスを表示する機能を持っています。このようなサイトを使うのも一つの方法です。

これから写真を提供してくれようとしている方は[編集]

flickrで、写真を集めることをはじめています。詳しくは「Photo archives」のページを参照してください。

ところで「営利」「非営利」って?[編集]

神戸大学震災文庫の例です。何人かの資料提供者の方々からは「非営利であれば問い合わせなく利用していただいて構わない」との許可を得ています。

しかし「営利」「非営利」とは何を指すのでしょうか? 例えば自治体主催だが説明は私企業が行う耐震建築のセミナーに使いたいというような希望もあり、主催者は「自治体だから非営利」と考えているようですが、資料提供者によってはこの場合は「営利」と規定している方もいます。

使用料が支払われないのだから「営利企業に使ってほしくない」と考える気持ちは分かるのですが、営利かどうかの判断が難しい場合も多く、たとえそれが直接的に利潤を目的としたものでないとしても、「非営利のみ可」という条件があることによって結局利用しにくくなってしまうのが実情です。

ですので、クレジットをつける際には、作成者のクレジットさえ明示すれば「営利」「非営利」を問わず使用できるようにすることを推奨したいと思います。