COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/11/27)について

提供:saveMLAK
ナビゲーションに移動 検索に移動


【COVID-19の影響により休館している図書館は2館から3館へ】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。11月21日(土)から11月24日(火)にかけて実施した第12回目の調査結果を発表します。今回の調査では前回同様、詳細なサービス内容の集計を省略し、開館状況、入館記録に絞って調査を行いました。

調査の概要

調査日時
2020年11月21日(土)10時~2020年11月24日(火)21時(83時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1722館(前回1721館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者13人(有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

全国公共図書館休館率状況 第2回~12回(2020年11月24日時点)
休館率(都道府県別、2020年11月24日時点)
入館記録採用館数の推移(2020年11月24日時点)
入館記録全国地図(都道府県別、2020年11月24日時点)
  • COVID-19を理由に休館している図書館は3館でした。
  • COVID-19と災害の影響により休館している図書館をあわせると7館(0.4%)でした(前回6館(0.3%)。
  • 入館記録を取っている図書館は371館(21.5%)となり、前回376館から微減しました。
都道府県 自治体数 COVIDによる休館 災害による休館 COVID+災害による休館率 入館記録 入館記録(前回) 入館記録率
千葉県 55 0.0% 37 38 67.3%
山梨県 24 0.0% 12 12 50.0%
福岡県 60 0.0% 27 26 45.0%
茨城県 45 0.0% 19 18 42.2%
埼玉県 64 0.0% 27 23 42.2%
岐阜県 43 0.0% 18 22 41.9%
京都府 23 0.0% 9 9 39.1%
山形県 36 0.0% 14 16 38.9%
福井県 18 0.0% 7 7 38.9%
熊本県 41 1 2.4% 14 16 34.1%
愛知県 55 0.0% 18 20 32.7%
大分県 19 0.0% 6 6 31.6%
群馬県 36 0.0% 10 9 27.8%
兵庫県 42 0.0% 10 10 23.8%
北海道 180 1 0.6% 42 38 23.3%
宮崎県 26 0.0% 6 6 23.1%
新潟県 31 0.0% 6 5 19.4%
栃木県 26 0.0% 5 5 19.2%
大阪府 44 0.0% 8 11 18.2%
和歌山県 30 0.0% 5 4 16.7%
東京都 61 0.0% 10 10 16.4%
奈良県 25 0.0% 4 3 16.0%
秋田県 26 0.0% 4 4 15.4%
三重県 29 0.0% 4 6 13.8%
徳島県 23 1 4.3% 3 4 13.0%
宮城県 36 0.0% 4 3 11.1%
静岡県 36 0.0% 4 4 11.1%
長野県 72 0.0% 8 7 11.1%
島根県 19 0.0% 2 3 10.5%
福島県 58 3 5.2% 6 6 10.3%
滋賀県 20 0.0% 2 2 10.0%
石川県 20 0.0% 2 2 10.0%
長崎県 22 0.0% 2 2 9.1%
岩手県 34 0.0% 3 3 8.8%
神奈川県 34 0.0% 3 5 8.8%
沖縄県 32 0.0% 2 2 6.3%
富山県 16 0.0% 1 1 6.3%
山口県 19 0.0% 1 1 5.3%
青森県 38 0.0% 2 2 5.3%
愛媛県 21 0.0% 1 2 4.8%
佐賀県 21 0.0% 1 1 4.8%
鹿児島県 44 0.0% 2 1 4.5%
岡山県 27 1 3.7% 0.0%
広島県 24 0.0% 0.0%
香川県 17 0.0% 0.0%
高知県 30 0.0% 1 0.0%
鳥取県 20 0.0% 0.0%
集計 1722 3 4 0.4% 371 376 21.5%

各図書館の状況・取り組み

オンラインコンテンツ

  • 石狩市民図書館(北海道)では開館20周年を記念しておうちでも楽しめる動画を公開中。「Webおはなし会」や「社会科の副読本いしかり副読本」の内容を紹介しています。
  • 森町図書館(北海道)では小学校・幼稚園・保育所の団体利用が現在出来ない代わりに「森町図書館見学・ガイダンス資料」を公開しています。
  • 北見市立図書館(北海道)では図書館の利用登録者であれば電子書籍の利用登録を電話ですることが出来ます。
  • 千葉県立図書館(千葉県)では「読書や学習に役立つ子どものためのリンク集」を公開しています。「オンラインで読んで楽しむ」「博物館や研究機関を見る」など7つのカテゴリー分けがされています。
  • 富士吉田市立図書館(山梨県)ではコロナ禍でも笑顔が見たいという趣旨で作られた動画をYoutubeで配信しています。
  • 沼津市立図書館(静岡県)では講演会「近代日本の礎を築いた渋沢栄一」を動画配信しました。(2020年11月19~29日) レジュメ・年譜・系譜もpdfで公開。動画上映会を週末土日で行いました。
  • 中津川市立図書館(岐阜県)は 第22回図書館総合展オンライン特設ページにて360°中津川市立図書館ツアーを公開しています。館内の様子をストリートビューのように体験できます。
  • 野洲図書館(滋賀県)では野洲市民や野洲市にかかわりのある人から集めた写真22,000枚以上をフォトモザイクアートにして展示しています。青年会議所との共催です。 
  • 鳥取県立図書館(鳥取県)では「令和2年度子どもと本をつなぐ講座」をリモート開催しました。参加者は会場に集まって講師が別会場という形で行っています。
  • 米子市立図書館(鳥取県)では開館30周年 松本薫氏記念公演の収録DVDが貸出可能です。地元ケーブルテレビでのリピート放送も12月中旬に予定しています。
  • まんのう町立図書館(香川県)では新たに動画配信を開始しました。第一弾の「かりまいちゃんの遠足」を公開中です。

オフラインイベント

  • 帯広市図書館(北海道)では、語り手育成講習会の番外編として「コロナ時代に語ろう」をタイトルに、感染症対策をしながらお話し会を開催する方法についてを模索するイベントを実施とのこと。
  • 木更津市立図書館(千葉県)は「えほん講座~お家でおはなし会編~」を開催します。コロナ禍の中で続けてきたサイト内での「お話し会Q&A」の連載の集大成として行う企画だそうです。

感染症対策

ガイドライン

  • 安平町(北海道)では、6月に「社会教育施設等における新型コロナウィルス感染拡大予防ガイドライン」を設定していました。
  • 富谷市(宮城県)では、9月に富谷市公民館新型コロナウイルス感染拡大防止施設利用ガイドライン(改訂版)を公表していました。
  • 伊江村(沖縄県)では、「伊江村農村環境改善センター・伊江村中央公民館 新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を策定し、公民館図書室の扱いについても簡単にですが記載があります。

郵送貸出

  • 護佐丸歴史資料図書館(沖縄県)では期間限定で来館が困難な方向けに「ごさまる郵送サービス(本・雑誌の貸出・返却の郵送サービス)」を始めました。来館できない方の定義に「新型コロナウイルス感染リスクが高いとされている方 (基礎疾患をお持ちの方、妊婦、65歳以上の方など)」とありました。

電子図書館

  • 流山市立図書館(千葉県)ではお知らせの「電子書籍の利用対象者の変更について」(2020.11.13)にて、利用件数が伸びているため、令和3年1月12日より市内在住の方のみ利用可能に変更と発表しました。
  • 関市立図書館(岐阜県)では、SEKIいきいきフェスタ2020『来て・見て・読んで 電子図書館!!』を11月29日(日)に開催予定です。1日限りの電子図書館体験コーナー&説明ブースが出展します。

システム等

  • 対馬市立つしま図書館(長崎県)では、ミライon(長崎県立長崎図書館・大村市立図書館)から本を取り寄せることができるウェブサービス「とりよせくん」を開始しました。
  • 豊見城市立中央図書館(沖縄県)では、Googleフォームを使った窓口手続きのオンライン化を行っており、利用申し込み、予約、リクエスト、行事の申し込みなどができます。

展示

寒さ対策

  • 千曲市立図書館(長野県)では、台風19号の影響で調査研究室(学習室)の冷暖房使用が出来ず、新型コロナウイルス感染防止目的のため、席数を減らし、換気を行って調査研究室(学習室)の開放を行っています。来館者には暖かい服装での利用をお願いしています。
  • 飯田市立中央図書館(長野県)でも新型コロナウイルス感染症対策で換気を行うため、利用者に図書館へはあたたかい服装でお越しくださいと依頼しています。

経営

メディアによる調査結果の活用

前回調査からの動き

  • 第22回図書館総合展がオンラインで開催されました。
  • saveMLAKがライブラリーオブザイヤー2020のライブラリアンシップ賞に選ばれました。
  • カーリルハッピーショップでsaveMLAKの手ぬぐい及びコンビニバッグの販売を行いました(11月30日まで)。
  • 国立大学図書館の動向調査は毎週実施されています。
  • 著作権法の改正について、図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチームで討議されており、国立国会図書館の図書館向けデジタル化資料送信サービスで送信する資料の範囲を広げることや、図書館からメールやFAXでの複写物送信を可能にすることが検討されています。
  • 図書除菌機を導入したというお知らせをする図書館が増えました。
  • 新型コロナウイルス対策として電子書籍の導入をお知らせする図書館が出てきました。

メンバーによる活動報告

  • 図書館総合展ではsaveMLAKのフォーラムを2回開催しました。
  • 「専門図書館」301・302合併号(専門図書館協議会)ごぞんじですか?第120回 saveMLAKとCOVID-19:しなやかに動きつづけるプロジェクト(森いづみ・子安伸枝)
  • 月刊社会教育(旬報社)2020年11月号 特集検証・新型コロナウイルス対応と社会教育でsaveMLAKの取り組み紹介「新型コロナウイルス感染症に図書館はどう「しなやかに」対応したか(呉服淳二郎)」
  • 10月23日(金)にオンライン開催される第29回GIS学会・企画セッションにおいて「COVID-19における「GISと社会」を考える」において、阿児雄之氏が(東京国立博物館)「クラウドワークによる図書館・博物館の休館動向調査:新たな全国的動向把握のかたちへ」の中でsaveMLAKの取組みを紹介しました。

次回調査予定

  • 次回調査は、次回調査は12月中の予定です。改めて告知します。

調査データの公開