COVID-19の影響による図書館の動向調査(2022/09/25)について

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2022年9月29日 (木) 22:59時点におけるNobue.koyasu (トーク | 投稿記録)による版 (→‎感染対策)
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【台風への危機意識が高まるなか、COVID-19を利用とする休館0】
saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。2022年9月19日(月・祝)から9月25日(日)にかけて実施した第32回目の調査結果を発表します。
調査時点でまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象となっている都道府県はありません。
調査期間中に台風14号、台風15号が発生し、図書館でも浸水被害等がありました。
COVID-19を理由とする休館は0館でした。入館記録の実施館は192館から178館に減少しました。

調査の概要

調査日時
2022年9月19日(月・祝)9時から9月25日(日)10時まで 約147時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1738館(前回1738館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者8人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

  • COVID-19の影響により休館している図書館は0館でした。
  • 災害等で継続的に休館している図書館は2館でした。
  • 入館記録を取っている図書館は178館となり、前回の192館から減少しました。


休館率全国地図(2022年09月25日時点)
都道府県コード 都道府県 合計 入館記録 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
01 北海道 180 35 0 0 0 0.00%
02 青森県 39 5 0 0 0 0.00%
03 岩手県 34 8 0 0 0 0.00%
04 宮城県 36 5 0 0 0 0.00%
05 秋田県 26 0 0 0 0 0.00%
06 山形県 36 8 0 0 0 0.00%
07 福島県 58 3 0 2 2 3.45%
08 茨城県 45 10 0 0 0 0.00%
09 栃木県 26 4 0 0 0 0.00%
10 群馬県 36 3 0 0 0 0.00%
11 埼玉県 64 9 0 0 0 0.00%
12 千葉県 55 15 0 0 0 0.00%
13 東京都 61 3 0 0 0 0.00%
14 神奈川県 34 0 0 0 0 0.00%
15 新潟県 31 4 0 0 0 0.00%
16 富山県 16 0 0 0 0 0.00%
17 石川県 20 1 0 0 0 0.00%
18 福井県 18 2 0 0 0 0.00%
19 山梨県 25 6 0 0 0 0.00%
20 長野県 73 5 0 0 0 0.00%
21 岐阜県 43 6 0 0 0 0.00%
22 静岡県 36 0 0 0 0 0.00%
23 愛知県 55 3 0 0 0 0.00%
24 三重県 29 4 0 0 0 0.00%
25 滋賀県 20 0 0 0 0 0.00%
26 京都府 27 4 0 0 0 0.00%
27 大阪府 44 3 0 0 0 0.00%
28 兵庫県 42 2 0 0 0 0.00%
29 奈良県 33 5 0 0 0 0.00%
30 和歌山県 31 3 0 0 0 0.00%
31 鳥取県 20 1 0 0 0 0.00%
32 島根県 19 1 0 0 0 0.00%
33 岡山県 27 2 0 0 0 0.00%
34 広島県 24 0 0 0 0 0.00%
35 山口県 19 1 0 0 0 0.00%
36 徳島県 22 2 0 0 0 0.00%
37 香川県 18 1 0 0 0 0.00%
38 愛媛県 21 4 0 0 0 0.00%
39 高知県 30 1 0 0 0 0.00%
40 福岡県 60 3 0 0 0 0.00%
41 佐賀県 21 0 0 0 0 0.00%
42 長崎県 22 0 0 0 0 0.00%
43 熊本県 41 2 0 0 0 0.00%
44 大分県 19 1 0 0 0 0.00%
45 宮崎県 27 3 0 0 0 0.00%
46 鹿児島県 44 0 0 0 0 0.00%
47 沖縄県 32 0 0 0 0 0.00%
合計 1739 178 0 2 2 0.12%

前回調査からの動き

2022年9月14日(水)に発生した台風14号[1] の影響で、各地の図書館が開館時間を短縮したり臨時休館するケースが見られました。山都町立図書館(熊本県)の分館では浸水被害がありました。
2022年9月23日(金・祝)に発生した台風15号[2]でも、臨時休館する図書館が見られました。静岡県の図書館では浸水被害等もありました。

台風15号の影響 

  • 静岡市立図書館(静岡県)[3]
2022年9月24日(土)台風15号に伴う大雨により停電。図書館システム停止のため市内全館を休館しています。
  • 静岡市立図書館(静岡県) [4]
2022年9月24日(土)停電のため停止していたシステムが復旧しました。
  • 静岡市立図書館(静岡県)[5]

以下の3館は、2022年9月24日(土)から26日(月)まで臨時休館しています。

清水中央図書館:断水のため
清水興津図書館:断水のため
南部図書館:浸水被害のため
  • 静岡市立図書館(静岡県)[6]
2022年9月27日(火)「台風15号による浸水等により汚破損または紛失した図書館資料について」お知らせしています。
  • 静岡市立図書館(静岡県)[7]
2022年9月27日(火) 一部利用制限付きで開館中です。
  • 静岡県立中央図書館[8]
2022年9月27日(火)に「令和4年大雨災害情報リンク集」を公開しています。
  • 静岡市立図書館(静岡県)[9]
2022年9月29日(木)南部図書館は、地下書庫及び地下駐車場への浸水被害のため臨時休館中。再開は未定です。

2022年8月4日(木)の大雨による臨時休館

  • 白山市立図書館(石川県)では大雨の影響で松任図書館を18時で閉館し、かわち図書館・美川図書館・鶴来図書館・鶴来図書館本町分館を15時で閉館しました。また、移動図書館は運休としました。

各図書館の状況・取り組み

感染症対策

イベントの再開

各自治体の警戒レベルが上がり、おはなし会等を中止にする図書館がある一方で、数年ぶりに企画を再開する図書館が見られました。

  • 北広島市図書館 (北海道)2022年9月9日(金)から数日に渡って、3年ぶりに「古本ばくりっこ」を開催しました。家で読まなくなった本と、会場にある本をばくりっこ(交換)する企画です。
  • 磐田市立図書館 (静岡県)では2022年8月6日(土)、2021年に感染拡大で直前で中止になった企画「夏休み子ども図書館クラブ」を、2年ぶりに開催しました。

感染対策

  • 倉吉市立図書館(鳥取県)では、鳥取県版新型コロナ警報発令中のため2022年9月17日(土)のリサイクル市を延期しました。
  • 西条市立図書館(愛媛県)は2022年9月17日(土)から当面の間、学習室の定員の減員を継続します。
  • 日向市立図書館(宮崎県)では、感染症対策の一環としてマイバッグの利用を推奨しています。
制限・対策の緩和
  • 筑西市立図書館(茨城県)は2022年9月1日(木)付のお知らせで「入館時の記名等は不要」であることを明記しています。
  • 大泉町立図書館(群馬県)では、2022年9月3日(土)から9月30日(金)まで、町独自警戒レベル「4」を継続するとし、18歳以下の利用を短時間にする制限を行っていましたが、その年齢制限を解除し、群馬県内の利用者に限定して利用可能としています。
  • 伊方町立図書館(愛媛県)は「愛媛県BA.5医療危機宣言」が終了し、「特別警戒期間」となったことに伴い、2022年9月17日(土)から当面の間対応を変更します。図書館は感染対策、三密回避を徹底の上、利用可能となっています。
  • 松山市立図書館(愛媛県)は、2022年9月17日(土)から「愛媛県BA.5医療危機宣言」の対策強化のため休止していた新聞及び雑誌の最新号の閲覧、おはなし会等のイベントを再開しました。

非接触・非対面のサービス

  • 小金井市立図書館(東京都)では、2022年9月30日(金)に緑分室主催で「オンラインでスペシャルおはなし会」を開催します。

郵送・宅配貸出

  • 岩手県立図書館は2021年6月23日付けのお知らせで、宅配(送料利用者負担)による貸出を実施していると案内しています。※これまでのプレスリリースに未掲載のため今回掲載します。

電子図書館・電子書籍サービス

  • 藤枝市立図書館(静岡県)は2022年9月30日(金)に「ふじえだ電子図書館」をオープンします。
  • 津幡町立図書館(石川県)は2022年9月1日(木)から電子図書館を開始しました。「津幡デジタルライブラリー」という名称です。
  • 柏原市立図書館(大阪府)は2022年10月1日(土)より電子図書館をオープンします。
  • 丹波市立図書館(兵庫県)は、2022年10月から電子図書館をオープンする予定です。

情報発信

SNS

  • 滝川市立図書館(北海道)は滝川市の公式LINEアカウントから図書館の情報を発信しています。
  • 渋谷区立図書館(東京都)[11]は、2022年9月12日(月)図書館システムを更新、LINEとの連携[12]を始めました。

メンバーからの活動報告

  • 『図書館界』[13]2022年9月号「図書館動向調査」から見る公共図書館(三浦なつみ/covid-19libdataチーム)が掲載されています。
  • 2022年9月1日(木)に開催されたJcrossのイベント[14]にて、saveMLAKの活動を紹介しました。
  • 2022年9月3日(土)4日(日)に開催された「Code4Lib JAPANカンファレンス2022」[15]でCOVID−19libdataチームのメンバーが調査に関する発表を行いました。
  • 図書館総合展オンライン2022[16]において、2022年11月10日(木)フォーラム「図書館をめぐるCOVID-19の影響― 公共・大学・専門図書館のsaveMLAK COVID-19調査からの報告 ―」を開催します。

次回調査予定

次回の公共図書館調査は未定です。

調査データの公開