COVID-19の影響による図書館の動向調査(2022/08/17)について

提供:saveMLAK
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【「第7波」感染拡大のさなか、工夫を凝らし開館を継続】
saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。2022年8月11日(祝・木)から8月17日(水)にかけて実施した第31回目の調査結果を発表します。
調査時点でまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象となっている都道府県はありません。
COVID-19を理由とする休館は1館でした。入館記録の実施館は192館に減少しました。

調査の概要

調査日時
2022年8月11日(祝・木)11時から8月17日(水)14時まで 約147時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1738館(前回1738館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者16人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

  • COVID-19の影響により休館している図書館は1館でした。
  • 災害等で休館している図書館は2館でした。
  • 入館記録を取っている図書館は192館となり、前回の208館から減少しました。


 
休館率全国地図(2022年08月17日時点)
都道府県コード 都道府県 合計 入館記録 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
01 北海道 180 32 0 0 0 0.00%
02 青森県 39 6 0 0 0 0.00%
03 岩手県 34 8 0 0 0 0.00%
04 宮城県 36 4 0 0 0 0.00%
05 秋田県 26 1 0 0 0 0.00%
06 山形県 36 8 0 0 0 0.00%
07 福島県 58 4 0 2 2 3.45%
08 茨城県 45 10 0 0 0 0.00%
09 栃木県 26 3 0 0 0 0.00%
10 群馬県 36 3 0 0 0 0.00%
11 埼玉県 64 14 0 0 0 0.00%
12 千葉県 55 15 0 0 0 0.00%
13 東京都 61 5 0 0 0 0.00%
14 神奈川県 34 0 0 0 0 0.00%
15 新潟県 31 4 0 0 0 0.00%
16 富山県 16 0 0 0 0 0.00%
17 石川県 20 1 0 0 0 0.00%
18 福井県 18 3 0 0 0 0.00%
19 山梨県 25 6 0 0 0 0.00%
20 長野県 72 5 0 0 0 0.00%
21 岐阜県 43 6 0 0 0 0.00%
22 静岡県 36 2 0 0 0 0.00%
23 愛知県 55 3 0 0 0 0.00%
24 三重県 29 4 0 0 0 0.00%
25 滋賀県 20 0 0 0 0 0.00%
26 京都府 27 4 0 0 0 0.00%
27 大阪府 44 3 0 0 0 0.00%
28 兵庫県 42 3 0 0 0 0.00%
29 奈良県 33 6 0 0 0 0.00%
30 和歌山県 31 4 0 0 0 0.00%
31 鳥取県 20 1 0 0 0 0.00%
32 島根県 19 1 0 0 0 0.00%
33 岡山県 27 2 0 0 0 0.00%
34 広島県 24 0 0 0 0 0.00%
35 山口県 19 1 0 0 0 0.00%
36 徳島県 22 2 0 0 0 0.00%
37 香川県 18 1 0 0 0 0.00%
38 愛媛県 21 4 0 0 0 0.00%
39 高知県 30 1 0 0 0 0.00%
40 福岡県 60 5 0 0 0 0.00%
41 佐賀県 21 0 0 0 0 0.00%
42 長崎県 22 0 0 0 0 0.00%
43 熊本県 41 2 1 0 1 2.44%
44 大分県 19 1 0 0 0 0.00%
45 宮崎県 27 3 0 0 0 0.00%
46 鹿児島県 44 1 0 0 0 0.00%
47 沖縄県 32 0 0 0 0 0.00%
合計 1738 192 1 2 3 0.17%

前回調査からの動き

  • 2022年7月24日(日)、桜島の噴火警戒レベルを5(避難)に引き上げました[1]
  • 2022年8月11日(祝・木)に北海道宗谷地方北部にて最大震度5を観測する地震が発生しました[2]
  • 2022年3月16日(水)に発生した地震の影響で休館していた宮城県内の公共図書館等は、7月1日(金)に全て開館しました[3]
  • 大熊町図書館(福島県)は2011東日本大震災により長期休館中ですが、2022年5月25日(水)、「大熊町立図書館・民俗伝承館存続」を求める発起人より「大熊町図書館・民俗伝承館の存続を求める陳情について」の陳情書が提出され、7月11日(月)に町当局と意見交換をしました[4]


台風の影響 

2022年8月に発生した台風8号の影響により各地で休館や行事の延期がありました。

  • つくばみらい市立図書館(茨城県)は8月13日(土)の図書館(本館)おはなし会を延期しました。
  • 下田市立図書館(静岡県)はウェブサイトに8月13日(土)に休館する可能性がある旨掲載していました。
  • 沼津市立図書館(静岡県)地区センター図書室は大雨による避難所開設のため休館となりました。
  • 富士市立図書館(静岡県)東図書館、中央図書館今泉分室、田子浦分室、大淵分室は、大雨による避難所開設のため休館となりました。

2022年8月4日(木)の大雨による臨時休館

  • 白山市立図書館(石川県)では大雨の影響で松任図書館を18時で閉館し、かわち図書館・美川図書館・鶴来図書館・鶴来図書館本町分館を15時で閉館しました。また、移動図書館は運休としました。

各図書館の状況・取り組み

感染症対策

イベントの再開

各自治体の警戒レベルが上がり、おはなし会等を中止にする図書館がある一方で、数年ぶりに企画を再開する図書館が見られました。

  • 北広島市図書館 (北海道)9月9日(金)3年ぶりに「古本ばくりっこ」を開催します。家で読まなくなった本と、会場にある本をばくりっこ(交換)する企画です。
  • 磐田市立図書館 (静岡県)では2022年8月6日(土)、2021年に感染拡大で直前で中止になった企画「夏休み子ども図書館クラブ」を、2年ぶりに開催しました。

感染対策

  • 気仙沼市図書館(宮城県)では、新型コロナウイルス感染症予防対策として2022年9月30日(金)まで貸出期間の延長と貸出冊数の増加を行っています。
  • 牛久市立中央図書館 (茨城県)では、館内での滞在時間を短くするために、電話での予約受付を実施しています。
  • 神栖市立中央図書館(茨城県)では、2022年7月12日(火)付のお知らせにて感染症予防のため外出を控えているなど図書館への来館が難しい方へ宅配サービスの告知を行っています。
  • 飛騨市図書館(岐阜県)では、2022年8月6日(土)付で県の対策強化のお知らせをしつつも、「図書館は開館しています」と題し告知を行なっています。
  • 苅田町立図書館(福岡県)では、2022年6月3日(金)付けでマスク着用についてお知らせしています。
  • 川崎町立図書館(福岡県)では、2022年6月10日付けでマスク着用についてお知らせしています。
  • 宮崎県立図書館では、2022年8月11日(祝・木)に県独自の医療非常事態宣言が発令されたことを受け、8月12日(金)一部サービスの制限を行っています。
  • 宮崎市図書館(宮崎県)では、県の「医療緊急警報」発令に伴い2022年7月13日(水)より貸出・返却などの簡易な手続きに限定して開館しています。

ワクチン接種会場設置による臨時休館

  • 上毛町げんきの杜図書館(福岡県)では、げんきの杜が新型コロナウィルスワクチン接種の会場になるため、休館する旨案内しています。

非接触・非対面のサービス

  • 札幌市図書館(北海道)ではオンラインで仮登録を行うことができます。
  • 新潟市立図書館(新潟県)では、マイライブラリーでバーコードを表示する機能によりスマホを利用カードとして使用できます。
  • 伊丹市立図書館(兵庫県)では、2022年7月1日(金)からスマホ利用券のサービスを開始しました。
  • 香美町立公民館図書館(兵庫県)では、公民館図書室の蔵書データをEXCELファイル形式でダウンロードできるサービスをしています。蔵書検索システムの代わりに利用できます。
  • 浦添市立図書館(沖縄県)では、浦添市電子図書館の利用に際して郵送による登録及び利用者カードの発送を行っています。

郵送・宅配貸出

  • 山武市立図書館(千葉県)では、来館が困難な方に向けた宅配サービスを2022年8月9日(火)から2023年1月31日(火)まで試行的に実施します。

電子図書館・電子書籍サービス

  • 甘楽町図書館(群馬県)では、2022年8月1日(月)に「かんらまち電子図書館」サービスを開始しました。
  • 蕨市立図書館(埼玉県)は2022年8月1日(月)に「わらび電子図書館」サービスを開始しました。
  • ときがわ町立図書館(埼玉県)は2022年9月1日(木)から電子図書館サービスを開始します。比企広域電子図書館「比企eライブラリ」という電子図書館で、東松山市、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉見町、ときがわ町が参加しています。
  • 袖ヶ浦市立図書館(千葉県)では、2022年8月2日(火)から電子図書館サービスが始まりました。
  • 海老名市立図書館(神奈川県)では、2022年8月1日(月)より電子図書館サービスを開始しました。
  • 加賀市立図書館(石川県)は2022年7月1日(金)より加賀市デジタル図書館サービス、デジタル貸出券サービスを開始しました。
  • 県立長野図書館では、2022年8月5日(金)より、長野県民の方は、だれでも、いつでも、どこからでも使える図書館サービスとして、「県立長野図書館電子書籍サービス」と「市町村と県による協働電子図書館」が始まりました。
  • 湖西市図書館(静岡県)では、2022年10月4日(火)より電子図書館がスタートします。
  • 稲沢市図書館(愛知県)では、2022年7月1日(金)から「いなざわ電子図書館」を開設しました。
  • 摂津市民図書館(大阪府)では、2022年7月1日(金)より「せっつ電子図書館」を開始しました。
  • 東広島市立図書館(広島県)では、2022年 8月1日(月)から、図書館資料検索システムと東広島市電子図書館の連携が始まりました。ログインID・パスワードが統一されました。
  • 八重瀬町図書館(沖縄県)では、2022年5月から電子書籍サービスを始めました。

Wi-Fi

  • 相模原市立図書館(神奈川県)は2022年8月2日(火)から公衆無線LANサービスを開始しました。
  • 邑楽町立図書館(群馬県)では、2022年7月7日(木)付けで、図書館での公共無線LANの利用案内が掲載されています。
  • 摂津市民図書館(大阪府)では、2022年7月1日(金)から無線LANサービスを開始しました。

デジタルアーカイブ

第30回の付帯調査としてウェブサイトにデジタルアーカイブのリンクがあるか調査しました。その際見つからなかったデジタルアーカイブが見つかりましたのでリンクを掲載します。

情報発信

SNS

  • 美瑛町図書館(北海道)では「うちの司書がyoutubeに登場しています」と北海道図書館研究会のサイトを紹介しています。
  • 玉野市立図書館・中央公民館(岡山県)は2022年8月6日にTwitterを開設しました。

メンバーからの活動報告

  • 2022年8月20日(土)に発行された「図書館評論」第63号にてCOVID-19libdataチームのメンバーによる調査の報告記事が掲載されています。
  • 2022年9月1日(木)に行われるJcrossのイベントにメンバーが参加し、saveMLAK活動紹介を行う予定です。

次回調査予定

次回の公共図書館調査は未定です。

調査データの公開