COVID-19の影響による図書館の動向調査(2022/07/09)について

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【「第7波」が懸念されるなか、COVID-19を理由とする休館0】
saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。2022年7月1日(金)から7月9日(土)にかけて実施した第30回目の調査結果を発表します。
調査時点でまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象となっている都道府県はありません。
COVID-19を理由とする休館はありませんでした。入館記録の実施館は208館に減少しました。
前回調査時、基本的対処方針に基づく対応に「マスクの着用」について記載されたことに伴い[1]、引き続き図書館でもマスクの着用に関して制限緩和の動きが見られます。
また、これまで利用制限のあったサービスについても緩和する方向にあります。
一方、7月に入ってから感染者数は増加傾向にあります[2]

調査の概要

調査日時
2022年7月1日(金)10時から7月9日(水)17時まで 約119時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1738館(前回1738館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者17人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

  • COVID-19の影響により休館している図書館は0館でした。
  • 災害等で休館している図書館は4館でした。
  • 入館記録を取っている図書館は208館となり、前回の234館から減少しました。


休館率全国地図(2022年07月09日時点)
都道府県コード 都道府県 合計 入館記録 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
01 北海道 180 30 0 0 0 0.00%
02 青森県 39 6 0 0 0 0.00%
03 岩手県 34 8 0 0 0 0.00%
04 宮城県 36 4 0 0 0 0.00%
05 秋田県 26 0 0 0 0 0.00%
06 山形県 36 7 0 0 0 0.00%
07 福島県 58 4 0 3 3 5.17%
08 茨城県 45 10 0 0 0 0.00%
09 栃木県 26 4 0 0 0 0.00%
10 群馬県 36 3 0 0 0 0.00%
11 埼玉県 64 18 0 0 0 0.00%
12 千葉県 55 15 0 0 0 0.00%
13 東京都 61 5 0 0 0 0.00%
14 神奈川県 34 3 0 0 0 0.00%
15 新潟県 31 5 0 0 0 0.00%
16 富山県 16 0 0 0 0 0.00%
17 石川県 20 1 0 0 0 0.00%
18 福井県 18 3 0 0 0 0.00%
19 山梨県 25 6 0 0 0 0.00%
20 長野県 72 8 0 0 0 0.00%
21 岐阜県 43 8 0 0 0 0.00%
22 静岡県 36 3 0 0 0 0.00%
23 愛知県 55 4 0 0 0 0.00%
24 三重県 29 4 0 0 0 0.00%
25 滋賀県 20 0 0 0 0 0.00%
26 京都府 27 4 0 0 0 0.00%
27 大阪府 44 8 0 0 0 0.00%
28 兵庫県 42 3 0 0 0 0.00%
29 奈良県 33 5 0 0 0 0.00%
30 和歌山県 31 3 0 0 0 0.00%
31 鳥取県 20 1 0 0 0 0.00%
32 島根県 19 1 0 0 0 0.00%
33 岡山県 27 1 0 0 0 0.00%
34 広島県 24 0 0 0 0 0.00%
35 山口県 19 1 0 0 0 0.00%
36 徳島県 22 2 0 0 0 0.00%
37 香川県 18 1 0 0 0 0.00%
38 愛媛県 21 3 0 0 0 0.00%
39 高知県 30 1 0 0 0 0.00%
40 福岡県 60 8 0 1 1 1.67%
41 佐賀県 21 0 0 0 0 0.00%
42 長崎県 22 0 0 0 0 0.00%
43 熊本県 41 2 0 0 0 0.00%
44 大分県 19 1 0 0 0 0.00%
45 宮崎県 27 3 0 0 0 0.00%
46 鹿児島県 44 1 0 0 0 0.00%
47 沖縄県 32 0 0 0 0 0.00%
合計 1738 208 0 4 4 0.23%

前回調査からの動き

  • 日本図書館協会では2022年6月22日(水)付で「図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」[3]を更新しました。
  • 国の方針が変更[4]になったことから、マスクの着用について緩和するお知らせを出す図書館が見られます。
  • 今回の調査中にマスクに関する対応を変更した自治体は各館の状況・取り組み中「マスクの着用について」の節にまとめています。
  • 2022年7月30日(土)に日本図書館研究会第378回研究例会[5]がオンライン開催されます。国立国会図書館令和3年度図書館及び図書館情報学に関する調査研究「公立図書館における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応」がテーマです。

地震関連の情報

2022年3月16日(水)の福島県沖地震について、ウェブサイト上で確認できたものを紹介します。
saveMLAKのウェブサイトにも2022年3月福島県沖地震のページがあります。
追加情報を求めています。
  • 東日本大震災の影響で休館していた浪江町図書館(福島県)は2022年6月18日(土)、「ふれあいセンターなみえ」内に開館しました。
  • 東松島市立図書館(宮城県)は福島県沖地震の影響で休館していましたが、2022年7月1日(金)から開館しました。

台風の影響 

  • 沖縄県では、台風の接近に伴い、トップページに台風による閉館基準の案内を出している図書館が見られました。
  • 粕屋町立図書館(福岡県)は台風4号の接近に伴い2022年7月5日(火)に臨時休館しました。

各図書館の状況・取り組み

感染症対策

マスクの着用について

  • 常陸太田市立図書館(茨城県)では館内におけるマスク着用の取り扱いについて掲載しています。基本的な感染防止対策としてマスクの着用を依頼していますが、適切な距離があり会話がほとんどない場合はマスクを外しても構わないとしています。
  • 神戸市立図書館(兵庫県)では2022年6月27日(月)付で「館内でのマスク着用について」のお知らせを出しています。「人との距離が確保できていて、かつ会話をほとんど行わない場合」マスクの着用なしとしています。
  • 三田市立図書館(兵庫県)では2022年6月1日(水)付でマスク着用に関するお知らせを出しています。利用の際はマスクの着用を依頼していますが、「他の人と2メートル以上の距離がとれ、かつ、会話を行わない場合」はマスクを外しても構わないとしています。
  • 淡路市立図書館(兵庫県)では、2022年6月3日(金)付の「マスクの着用についてのお知らせ」で「閲覧席、自習席において、2メートル以上を目安として人との距離を保ち、かつ会話をほとんど行わない場合は、マスクを着用する必要はありません」としています。
  • 西宮市立図書館(兵庫県)では2022年6月1日(水)付お知らせにて館内ではマスクの着用を呼びかけつつ、「マスクを外すことができる場合」の例をあげています。

対策緩和・特例措置の終了

これまで入館記録を行っていた図書館の感染症対策のお知らせから入館記録の案内が消えているケースが複数ありました。
入館記録を取りやめるというお知らせを出していた図書館もあります。
  • 洋野町立図書館(岩手県)では、2022年7月1日(金)から開館時間の短縮を解除しました。
  • 上山市立図書館(山形県)では、2022年7月からAVコーナーが利用可能になりました。
  • 千葉県立図書館では、2022年7月6日(水)から返却資料の隔離措置を終了しました。
  • 鴨川市立図書館(千葉県)では2022年6月に閲覧席にアクリル板を設置し全席を利用できるようになりました。
  • 松阪市図書館(三重県)では2022年6月8日(水)から館内の準備が整い次第、順次利用制限を解除するとしています。
  • 神戸市立図書館(兵庫県)は2022年6月24日(金)付のお知らせで、制限していた座席を元に戻すとしています。
  • 福岡市総合図書館(福岡県)では、2022年7月1日(金)から飲食コーナーの利用を再開しました。

感染者急増に伴う利用制限

非接触・非対面のサービス

  • 根室市立図書館(北海道)では、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、乳幼児親子向けに「絵本セット」を貸出しています。「絵本セット」には、絵本・紙芝居あわせて6冊が入っています。
  • かわもと図書館(島根県)ではスマホアプリを制作しました。利用者番号をアプリに登録することで図書館利用者カードの代わりとして使えます。

郵送・宅配貸出

電子図書館・電子書籍サービス

  • 常陸太田市立図書館(茨城県)は2022年7月1日(金)から電子図書館サービスを開始しました。
  • 摂津市民図書館(大阪府)は2022年7月1日(金)から、せっつ電子図書館を開始しました。
  • 稲美町立図書館(兵庫県)は、2022年7月1日(金)から電子図書館サービスを開始しました。

情報発信

SNS

調査結果の活用

カレントアウェアネスポータルに動向レビュー:公共図書館によるYouTubeを用いた動画の公開/水沼友宏が掲載されました。
2021年6月に実施したYoutubeについての付帯調査の結果が参照されています。

年次報告会開催

2022年7月2日(土)にsaveMLAK年次報告会2022を開催しました。

次回調査予定

次回の公共図書館調査は未定です。

調査データの公開