COVID-19の影響による図書館の動向調査(2021/01/11)について

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【2回目の緊急事態宣言と感染拡大に伴い休館や時間短縮する図書館が増加】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。 2021年1月9日(土)から1月11日(月・祝)にかけて実施した第14回目の調査結果を発表します。 開館時間を短縮している館についても集計しました。COVID-19の感染が拡大している状況下ですが、開館を継続するとした図書館も多く見られます。

調査の概要

調査日時
2021年1月9日(土)10時~2021年1月11日(月・祝)18時 56時間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象   全国の公共図書館・公民館図書室等、1723館(前回1722館)
調査主体   saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者15人(有志)
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

休館率全国地図・措置調査対象都道府県
  • 豪雪等の災害で休館している図書館は23館ありました。
  • COVID-19の影響により休館している図書館は56館でした。
  • 開館時間を短縮した館は89館でした。
都道府県名 合計 時間短縮 COVID休館 災害休館 休館合計 休館率
宮崎県 27 11 11 40.7%
埼玉県 64 10 22 22 34.4%
富山県 16 5 5 31.3%
福井県 18 1 3 3 16.7%
長崎県 22 2 1 3 13.6%
広島県 24 3 3 12.5%
岐阜県 43 1 5 5 11.6%
大分県 19 2 2 10.5%
新潟県 31 3 3 9.7%
茨城県 45 3 3 3 6.7%
島根県 19 1 1 5.3%
福島県 58 3 3 5.2%
福岡県 60 1 3 3 5.0%
佐賀県 21 1 1 4.8%
鹿児島県 44 1 2 2 4.5%
大阪府 44 1 2 2 4.5%
千葉県 55 16 2 2 3.6%
群馬県 36 6 1 1 2.8%
熊本県 41 1 1 1 2.4%
愛知県 55 4 1 1 1.8%
東京都 61 26 1 1 1.6%
長野県 72 1 1 1.4%
神奈川県 34 12 0 0.0%
北海道 180 3 0 0.0%
沖縄県 32 1 0 0.0%
岩手県 34 1 0 0.0%
山口県 19 1 0 0.0%
愛媛県 21 0 0.0%
岡山県 27 0 0.0%
宮城県 36 0 0.0%
京都府 23 0 0.0%
香川県 17 0 0.0%
高知県 30 0 0.0%
三重県 29 0 0.0%
山形県 36 0 0.0%
山梨県 24 0 0.0%
滋賀県 20 0 0.0%
秋田県 26 0 0.0%
青森県 38 0 0.0%
静岡県 36 0 0.0%
石川県 20 0 0.0%
鳥取県 20 0 0.0%
徳島県 23 0 0.0%
栃木県 26 0 0.0%
奈良県 25 0 0.0%
兵庫県 42 0 0.0%
和歌山県 30 0 0.0%
合計 1723 89 56 23 79 4.6%

前回調査からの動き

  • 2021年1月7日(木)に緊急事態宣言が東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に発出されました。あわせて今回の調査では、緊急事態措置による休業要請の対象に図書館が含まれるかを公開情報から調査しました。
  • 宮崎県岐阜県などでも独自の緊急事態宣言が出されました。
  • 国立大学図書館の動向調査は毎週実施されています。
  • 新型コロナウイルス対策として電子書籍の導入する図書館が増えました。
  • 利用者を在住者限定にする図書館も見られました。 

各図書館の状況・取り組み

感染症対策

  • 山梨市立図書館(山梨県)では、緊急事態宣言対象地域在住の方へ利用自粛のお願いをしています。
  • 甲州市立図書館(山梨県)では、利用に関するガイドラインを提示し、同意書を導入しています。
  • 伊勢崎市図書館(群馬県)では、市の新型コロナウイルス対策本部の決定を受け、12月から行っていた図書館の開館時間短縮を2月7日(日)まで延長しました。その分、貸出冊数の緩和と貸出期限が4週間と延長されています。
  • 春日井市図書館(愛知県)では、読書席・学習室の整理券を廃止しました。抽選方式となり、早くから並ぶ必要がなくなります。行列を避けるための対策と思われます。
  • 吹田市立図書館(大阪府)では、1月12日(火)から時間帯によって入館できる人を分けて開館する予定です。
  • 浅口市立図書館(岡山県)では、1月5日(火)から1月11日(月・祝)の間は、利用は「市内在住者に限る」としています。

サービスの開始

  • 愛知県図書館では、オンラインでの対面朗読サービスを開始しました。
  • 奈良市立図書館(奈良県)では、「ICを活用したwithコロナ時代の図書館へ」として1月5日(火)から予約図書の受け取りコーナー・自動返却機を利用を開始しています。
  • 神戸町立図書館(岐阜県)では、新型コロナウイルス感染症対策としてセルフ貸出機が利用できます。

電子図書館

  • 藤岡市立図書館(群馬県)では2020年12月1日(火)から電子図書館サービスをスタートしました。
  • 立川市図書館(東京都)では、「たちかわ電子図書館」を1月6日(水)から開始しました。
  • 西尾市立図書館(愛知県)では、1月27日(水)に、にしお電子図書館がオープンします。
  • 日進市立図書館(愛知県)では2020年12月24日(木)からオーディオブックのサービスを開始しました。
  • 呉市立図書館(広島県)では、1月20日(水)から電子図書館サービスを開始します。
  • 府中市立図書館(広島県)でも電子図書館が利用できるようになっています。
  • 光市立図書館(山口県)では、光市電子図書館の事前登録を1月15日(金)より開始します。

WEBコンテンツ

  • 森町図書館(北海道)では、小学生等が団体での見学ができなくなっていることから、図書館 見学・ガイダンスのレジュメ(プリント資料)の提供を開始しました。
  • 山口市立図書館(山口県)の「ソノコのつぶやき」から、サイトのコンテンツ「調べるツール」の中の「山口県内市町村氏等一覧」を改訂したとのことです。
  • 善通寺市立図書館(香川県)では、郷土について学ぶ「にんじゃぽんぽん隊動画」の配信を開始しました。
  • 苅田町立図書館(福岡県)では「苅田町立図書館開館30周年記念 特製アマビエ疫病退散祈願カード」をデジタルアーカイブに登録しました。

イベント

  • 富士吉田市立図書館(山梨県)では、1月23日(土)にオンラインイベント「『BOOK YOGA』完成!ついでにイベントもやっちゃう」という小冊子出版とイベントを掛け合わせた企画を実施予定です。
  • 長泉町民図書館(静岡県)では、1月12日(火)にZoomによるオンラインおはなし会を開催予定です。
  • 長門市立図書館(山口県)では、映画上映会の入場方法に工夫を凝らし、接触の機会を減らしています。各回限定15名として、整理券による入場としています。

COVID-19の影響による中止

  • 内灘町立図書館(石川県)では、1月からおはなし会を再開するとしています。一方で、能美市立図書館(石川県)では、感染症拡大防止のため、1月末までイベント中止すると発表しました。
  • 岡崎市立中央図書館(愛知県)では、おはなし会中止のお知らせとともに、岡崎市発表の「新型コロナウイルス警戒レベル」に合わせてイベントを運用することとしています。
  • 大口町立図書館(愛知県)では、令和2年度は雑誌スポンサーの募集を中止しました。

情報発信

  • 世田谷区立図書館(東京都)では、中央図書館のブックポストを終日利用できるようにしています。
  • 松崎町立図書館(静岡県)では、2020年11月24日(火)にTwitterアカウント開設し、図書館のイベントや町内情報の発信を行うとしています。

次回調査予定

次回調査は2021年2月5日(金)から2月7日(日)です。

調査データの公開