COVID-19の影響による専門図書館の動向調査(2020/09/22)について

提供:saveMLAK
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2020年9月22日 (火) 21:05時点におけるNobue.koyasu (トーク | 投稿記録)による版 (→‎調査結果)
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【調査対象を大幅拡大。施設が再開されても図書館機能を当面のあいだ中止するとした図書館も多数】

全国にある専門的な情報を提供する専門図書館の数は千とも二千ともいわれています。

COVID-19の影響は、これら専門図書館にも及び、研究者や市民にとっての情報のインフラとして専門的な情報を得ることが難しくなっています。

研究機関や各種団体等に設置された専門図書館の動向を把握するため、2020年9月18日(金)から9月21日(月・祝)にかけて第3回調査を行いました。

前回同様、saveMLAKの公共図書館の動向調査の手法を参考に、公開されている844館(前回調査300館から544館増加)の専門図書館を対象に調査したところ、引き続き閉館している図書館は105館12.5%でした。


調査の概要

調査回数
3回目
調査期間
2020年9月18日(金)~9月21日(月・祝)の4日間
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の専門図書館、844館
調査主体
調査参加者16人(専門図書館に携わる関係者を中心にした有志)
調査条件
  • 調査対象には、図書館と図書室が含まれますが、この調査では以後図書館と表現します。
  • 調査対象は、主として、以下の誰でも利用できる”公開型”の専門図書館を対象としました。
    • カーリルの図書館データベースに掲載された専門図書館
    • 『専門情報機関総覧2018』に掲載されている専門図書館を抜粋
    • その他、調査中に存在が確認できた専門図書館
  • 調査開始から終了までの期間で状況は刻々と変化しており、各館の状況については調査時のものです。
  • 「情報掲載」について
    • 「ウェブサイトで図書館の情報が確認できたものは「○」、確認できなかったものは「×」としました。
  • 「開館状況」について
    • 外部(組織外)利用者に対して「来館利用が可能」または「来館利用は不可だがOPAC以外のなんらかの遠隔サービスが利用可能と明示されているものを「○」としました。
    • 外部(組織外)利用者に対して「来館利用不可」かつ「OAPC以外の利用できるサービスが一つも明示されていないものを「×」としました。
    • 「情報掲載」が「×」で開館状況も判断がつかないものは「-」としました。
    • 調査の根拠となった図書館やその親組織のウェブページのうち、可能なものは「Internet Archive」または「archive.today」に保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています。

調査結果

全国専門図書館休館率動向(2020/08/01時点)

調査対象のうち、ウェブサイトに情報が掲載されている図書館が681館(81.3%)、掲載されていない図書館が157館(18.7%)ありました。

9月21日時点で閉館している図書館は105館(12.5%)、開館は583館(69.6%)、150館(17.9%)は状況を確認できませんでした。

なお、閉館している図書館の内COVID-19以外の理由での閉館が9館ありました。

前回の調査と比較して、開館している図書館が増加しました。また、制限されていたサービスについても緩和の動きがあります。

一方で、ウェブサイトに開館状況が明記されていないなど、状況が確認できない図書館が引き続く多くありました。

利用にあたっては、予約制での入館をお願いしている図書館が目立ちました。

前回からの動き

7月21日に、専門図書館協議会による「オンライン会議ー第1弾~Zoomで繋がる専門図書館~」と題したイベントが実施され、東京、名古屋、大阪、福岡の専門図書館6館による現状報告が行われました。また、このイベントで専門図書館協議会は今後もオンラインによるイベントを実施すると発表しています。

COVID-19対応としての取り組み

  • 石川県西田幾多郎記念哲学館(石川県金沢市)で「キテンプロジェクト」がスタートしました(2020年8月より)。ほかに大阪市立中央図書館でも実施され、ソーシャルディスタンスのためにできた空間にデザインされたサインを設置するプロジェクトとのことです。

調査データの公開

調査データは、ライセンスをCC-0として公開します。