COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/10/04)について

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【COVID-19の影響により休館している図書館は2館に減少】

saveMLAKでは、COVID-19の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。10月1日(木)から10月4日(日)にかけて実施した第11回目の調査結果を発表します。今回の調査では詳細なサービス内容の集計を省略し、開館状況、入館記録に絞って調査を行いました。

調査の概要

調査日時
2020年10月1日(木)9時~2020年10月4日(日)21時(約108 時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1721館(前回1721館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者16人(有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

入館記録全国地図(都道府県別、2020年10月04日時点)
入館記録採用館数の推移(2020年10月04日時点)
図書館の休館率(都道府県別、2020年10月04日時点)
  • COVID-19と災害の影響により休館している図書館は6館(0.3%)でした(前回43館(2.4%))。
  • 入館記録を取っている図書館は376館(21.8%)となり、前回395館から微減しました。埼玉県や茨城県では、入館記録を取りやめる図書館が増えた一方で、福井県や兵庫県、栃木県などでは増加しました。
都道府県 自治体数 COVIDによる休館 災害による休館 COVID+災害による休館率 入館記録 入館記録率
千葉県 55 0.0% 38 69.1%
岐阜県 43 0.0% 22 51.2%
山梨県 24 0.0% 12 50.0%
山形県 36 0.0% 16 44.4%
福岡県 60 0.0% 26 43.3%
茨城県 45 0.0% 18 40.0%
京都府 23 0.0% 9 39.1%
熊本県 41 1 1 4.9% 16 39.0%
福井県 18 0.0% 7 38.9%
愛知県 55 0.0% 20 36.4%
埼玉県 64 0.0% 23 35.9%
大分県 19 1 5.3% 6 31.6%
群馬県 36 0.0% 9 25.0%
大阪府 44 0.0% 11 25.0%
兵庫県 42 0.0% 10 23.8%
宮崎県 26 0.0% 6 23.1%
北海道 180 0.0% 38 21.1%
三重県 29 0.0% 6 20.7%
栃木県 26 0.0% 5 19.2%
徳島県 23 0.0% 4 17.4%
東京都 61 0.0% 10 16.4%
新潟県 31 0.0% 5 16.1%
島根県 19 0.0% 3 15.8%
秋田県 26 0.0% 4 15.4%
神奈川県 34 0.0% 5 14.7%
和歌山県 30 0.0% 4 13.3%
奈良県 25 0.0% 3 12.0%
静岡県 36 0.0% 4 11.1%
福島県 58 3 5.2% 6 10.3%
滋賀県 20 0.0% 2 10.0%
石川県 20 0.0% 2 10.0%
長野県 72 0.0% 7 9.7%
愛媛県 21 0.0% 2 9.5%
長崎県 22 0.0% 2 9.1%
岩手県 34 0.0% 3 8.8%
宮城県 36 0.0% 3 8.3%
沖縄県 32 0.0% 2 6.3%
富山県 16 0.0% 1 6.3%
山口県 19 0.0% 1 5.3%
青森県 38 0.0% 2 5.3%
佐賀県 21 0.0% 1 4.8%
高知県 29 0.0% 1 3.4%
鹿児島県 44 0.0% 1 2.3%
岡山県 27 0.0% 0.0%
広島県 24 0.0% 0.0%
香川県 17 0.0% 0.0%
鳥取県 20 0.0% 0.0%
集計 1721 2 4 0.3% 376 21.8%

各図書館の状況・取り組み

家で楽しむためのセット

  • 鴻巣市立図書館(埼玉県)では、ハロウィン用お家で楽しめる仮装キットの配布を行いました。
  • 入間市立図書館(埼玉県)では、おうちでおはなし会おたのしみセットを作成し、貸出しています。
  • 愛西市中央図書館(愛知県)では、子ども向け対象年齢別の「秋のトクトクセット貸出」を実施しています。図書館員が選んだ 秋・冬のおススメ本 数冊と、時期限定の読書通帳やおたのしみ工作キットなどが入っています。
  • 松江市立図書館(島根県)では、「おうち時間応援セット縁-えにし-」を開始。司書が選んだおすすめの本5冊をテーマごとにオリジナルバッグに入れて貸出しています。

WEB活用

  • 調布市立中央図書館(東京都)では、「おうちで冒険!ブッククエストオンライン」として、過去に開催されたイベントをWEB上で再度楽しめるように公開しています。
  • 御前崎市立図書館(静岡県)は「御前崎版ほんつなぎ」放送をケーブルテレビで開始。「#ほんつなぎ」は静岡県教育委員会がYouTubeで配信しているコンテンツですが、その御前崎版のテレビ放送が始まりました。
  • 各務原市立中央図書館(岐阜県)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止や災害等による休館時でも、図書館サービスが利用できるよう、10月1日(木)から電子図書館を始めました。

イベント オフライン

  • 半田市立亀崎図書館(愛知県)では、10月16日(金)に「オタッシャ音読教室2020神無月」を開催します。65歳以上対象で、マスク着用のうえ参加者全員で読む音読教室です。

対策、取り組み

  • 行田市立図書館(埼玉県)では、サービス再開のお知らせが表形式になっており、10月からの変更点がわかりやすくなっています。
  • 小矢部市民図書館(富山県)では、学習・閲覧席、飲食コーナーに仕切りパネルを設置し、写真を用いて告知しています。
  • 志布志市立図書館(鹿児島県)では、新型コロナウィルス感染拡大防止の為、入館の際記入をお願いしていた「入館票」(氏名・住所・緊急連絡先等の記入用紙)を、9月19日(土)より全館休止しました。

メディアによる調査結果の活用

  • 毎日新聞 社説 2020年9月28日(月) 朝刊

コロナと図書館 知の泉を枯らさぬように[1]

前回調査からの動き

  • 9月22日(月)に3回目の専門図書館動向調査の結果が公表されました。
  • 大学図書館の開館状況調査は毎週更新されています。
  • saveMLAKがLibrary of the Year 2020の二次選考に残り、ライブラリアンシップ賞を受賞しました。受賞理由はこちら
  • 9月9日(水)に文化庁の文化審議会著作権分科会、図書館関係の権利制限規定の在り方に関するワーキングチーム第2回会合が、9月29日(火)に第3回会合が開かれました。
  • 新型コロナウイルス感染症対応のための取組である限り、自由に使える「新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金」の二次補正が9月30日(水)に締め切られました。
  • 9月26日(土)、スウェーデン大使館主催で、WikiGap2020Finalが開催されました。このイベントは、「Democracy under the Corona Pandemic」をテーマに、オンサイトとオンラインで開催され、オンサイトはスウェーデン大使館のほか、国立国会図書館関西館なども会場にして自主的に編集イベントが行われました。

メンバーによる活動報告

  • 10月23日(金)にオンライン開催される第29回GIS学会・企画セッションにおいて「COVID-19における「GISと社会」を考える」において、阿児雄之氏が(東京国立博物館)「クラウドワークによる図書館・博物館の休館動向調査:新たな全国的動向把握のかたちへ」の中でsaveMLAKの取組みを紹介します。
  • 「図書館」(仮称)リ・デザイン会議[2]実行委員会は、図書館総合展にて11月3日(火・祝)13-17時にフォーラム「2020年から2050年へ。「図書館」(仮称)をリ・デザインする!」開催します。

次回調査予定

  • 次回調査は、次回調査は11月中の予定です。改めて告知します。

調査データの公開