COVID-19の影響による図書館の動向調査(2020/08/29)について

提供:saveMLAK
< saveMLAK:プレス
2020年8月29日 (土) 22:31時点におけるYegusa (トーク | 投稿記録)による版 (→‎調査データの公開: 年を追加)
ナビゲーションに移動 検索に移動


(現在作成中です)

【沖縄県では再び多くの図書館が休館に。全国的な休館率も2.4%に増加】

saveMLAKでは、COVID-19感染症の影響による図書館の動向を迅速に把握するため、全国規模の網羅的な調査を実施しています。8月27日(木)から8月29日(土)にかけて実施した第10回目の調査結果を発表します。今回の調査では休館理由を調査しました。これにより、水害による影響など感染症対策によらない休館も分けて把握できるようになりました。

調査の概要

調査日時
2020年8月27日(木)9時~2020年8月29日(土)13時(約52時間)
調査方法
ウェブサイトの公開情報を集約(目視)
調査対象
全国の公共図書館・公民館図書室等、1721館(前回1718館)
調査主体
saveMLAK COVID-19libdataチーム 調査参加者17人(有志)
調査条件
  • 全国地方公共団体コード(令和元年5月1日現在)を使用しました
  • 図書館法に基づく図書館以外に、公民館図書室についても調査対象としました(図書館と表記した場合も図書室が含まれます)
  • 調査中にも随時新しい発表があるため、情報は確認時点のものです
  • この調査では便宜上、図書館の数を設置主体の自治体(基礎自治体と都道府県)ごとに1としています
  • 休館は、開架エリアへの利用者の進入を許可しているかどうかを基準としました
  • 休館スケジュールが中央館・本館、分館などによって異なる場合は、中央館・本館のスケジュールを優先しました
  • 多数の感染が確認されていない地域でウェブサイトに情報の記載がない場合は、通常開館と推定しました
  • 移転やシステム更新等、あらかじめ予定されていた休館については、開館として扱いました
  • 調査の根拠となった図書館や自治体のウェブページのうち、可能なものはInternet ArchiveとArchive todayに保存し、調査時点のページを閲覧可能にしています
  • 社会情勢の変化を踏まえ、継続的に調査します(今後の活動はsaveMLAKのウェブサイトに掲載)
  • 調査データはプレスリリースの末尾にCC0で公開していますので、詳しく分析されたい方はデータを参照してください

開館状況

入館記録全国地図(都道府県別、2020年8月29日時点)
入館記録採用館数の推移(2020年8月29日時点)
図書館の休館率(都道府県別、2020年8月29日時点)


  • COVID-19感染症拡大と災害の影響により休館している図書館は43館(2.4%)でした(前回26館(1.5%))。沖縄県では71.9%、宮崎県では21.9%の図書館が休館となっています。
  • 入館記録を取っている図書館は395館(23%)となり、前回342館から増加しました。
都道府県 自治体数 COVIDによる休館 災害による休館 COVID+災害による休館率 入館記録 入館記録率
千葉県 55 0.0% 39 70.9%
岐阜県 43 0.0% 23 53.5%
山梨県 24 0.0% 12 50.0%
茨城県 45 0.0% 22 48.9%
福岡県 60 0.0% 28 46.7%
山形県 36 0.0% 16 44.4%
埼玉県 64 0.0% 28 43.8%
福井県 18 0.0% 7 38.9%
愛知県 55 1 1.8% 20 36.4%
新潟県 31 0.0% 10 32.3%
大分県 19 1 5.3% 6 31.6%
宮崎県 26 6 23.1% 8 30.8%
京都府 23 0.0% 7 30.4%
熊本県 41 3 2 12.2% 12 29.3%
兵庫県 42 0.0% 12 28.6%
三重県 29 0.0% 8 27.6%
栃木県 26 0.0% 7 26.9%
群馬県 36 0.0% 9 25.0%
北海道 180 0.0% 41 22.8%
大阪府 44 0.0% 9 20.5%
東京都 61 0.0% 11 18.0%
島根県 19 0.0% 3 15.8%
秋田県 26 0.0% 4 15.4%
神奈川県 34 0.0% 5 14.7%
長野県 72 0.0% 10 13.9%
和歌山県 30 0.0% 4 13.3%
奈良県 25 0.0% 3 12.0%
静岡県 36 0.0% 4 11.1%
山口県 19 2 10.5% 2 10.5%
福島県 58 3 5.2% 6 10.3%
石川県 20 0.0% 2 10.0%
愛媛県 21 0.0% 2 9.5%
宮城県 36 0.0% 3 8.3%
富山県 16 0.0% 1 6.3%
岩手県 34 0.0% 2 5.9%
青森県 38 0.0% 2 5.3%
滋賀県 20 0.0% 1 5.0%
佐賀県 21 0.0% 1 4.8%
鹿児島県 44 1 2.3% 2 4.5%
長崎県 22 0.0% 1 4.5%
徳島県 24 0.0% 1 4.2%
高知県 29 0.0% 1 3.4%
岡山県 27 0.0% 0.0%
沖縄県 32 23 71.9% 0.0%
広島県 24 1 4.2% 0.0%
香川県 16 0.0% 0.0%
鳥取県 20 0.0% 0.0%
総計 1721 38 5 2.5% 395 23.0%


各図書館の状況・取り組み

展示、情報提供

  • 京都府立図書館では「雑誌に見るコロナ禍の今」という雑誌の特集リストを公開中です。リストは随時更新予定のようです。
  • 豊能町立図書館(大阪府)では「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用して資料購入を行い、展示をして紹介しています。

イベント(オンライン)

  • 日野市立図書館(東京都)では、利用者を対象に、新型コロナウイルス感染症で図書館が休館中に考えたことを調査し、結果をとりまとめました。
  • 富士吉田市立図書館(山梨県)「オンラインdeべビーマッサージat図書館」。8月11日(火)助産院の講師を図書館に招き、Zoomを通じてベビーマッサージを体験するイベントを開催しました。

イベント(オフライン)

  • 湧別町 (北海道)では「古本市」中止の 代替として、9月から町内の図書館2館の入口前に「古本コーナー」を設置予定です。
  • 登米図書館(宮城県)夏休み特別企画として、小学生以下の貸出者に『妖怪アマビエ』の飾りプレゼントしています。
  • 都留市立図書館・都留市中央公民館(山梨県)共同企画「感染症の終息と平和を願う七夕短冊壁画」。7月1日(水)から壁画制作のための短冊(メッセージ)を市民から募集し、壁画を作成。都留市まちづくり交流センター1階ロビー壁面に展示中です。

対策、取り組み

  • 神川町(埼玉県)は、8月12日(水)より電子図書館が利用できるようになったとのことです。
  • 鳥取県立図書館では8月21日(金)より検温をやめたという告知がありました。本の隔離や消毒もしないとありました。手指の消毒や手洗い・短時間での利用を呼び掛けています。
  • 玖珂郡和木町立図書館(山口県)では、以前は入館記録をとっていたけれど今はしていないことがわかるよう、過去のお知らせの該当部分に訂正線を入れていました。

メディアによる調査結果の活用

  • NECネクサソリューションズの自治体コラム「図書館つれづれ」

 第75回「新型コロナウイルス感染症への対応と緊急事態宣言解除までの図書館の取り組みを振り返る」2020年8月

前回調査からの動き

メンバーによる活動報告

「COVID-19と図書館 saveMLAKの図書館動向調査に参加して」が、としょかん文庫・友の会の季刊誌「としょかん154号」(2020年8月1日発行)に掲載されました。

次回調査予定

  • 次回調査は、10月1日(木)から10月3日(土)です。

調査データの公開