「「災害への『しなやかな強さ』を持つMLAK機関をつくる」」の版間の差分

提供:saveMLAK
ナビゲーションに移動 検索に移動
(→‎署名: 署名を追記)
32行目: 32行目:
 
* 高久雅生(筑波大学)
 
* 高久雅生(筑波大学)
 
* 小陳左和子(東北大学附属図書館)
 
* 小陳左和子(東北大学附属図書館)
 +
* 江草由佳(国立教育政策研究所)
  
 
==== 履歴 ====
 
==== 履歴 ====
  
 
*2020-05-25:第1版公開
 
*2020-05-25:第1版公開

2020年5月25日 (月) 11:41時点における版

[呼びかけ]「災害への『しなやかな強さ』を持つMLAK機関をつくる」

前文

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は私たちの社会のあり方を大きく変えています。その変化は図書館、美術館・博物館、公民館のようなMLAK機関にも及んでいます。感染拡大初期には、多くのMLAK機関が来館利用する施設としては休館することになりました。もちろん、人の命に優先するものはありません。しかし、人の命を守るためには情報・知識が必要です。こうした情報・知識と私たちを結ぶ知的インフラの1つとして、MLAK機関には重要な役割があります。この重要な役割をMLAK機関が果たしていくための課題と可能性を一緒に考えていくための論点を整理しました。ぜひ、私たちと共に悩み、共に考え、共に行動していきませんか。

論点整理(本文)

  1. 今回、知的インフラを支えるMLAK機関の多くが、施設としての休館を余儀なくされました。その状況がまだ続いている機関もありますし、今後についても予断を許しません。そして、このような事態はどのような災害でも起こることであり、実際に起こってきました。
  2. 被害が拡大する状況にある場合、MLAK機関が施設として休館することは致し方ないでしょう。訪れる人々(利用者)や働く人々(提供者)の安心と安全が常に第一です。
  3. ただし、誰にとってもこのままでいいわけではないでしょう。現実的に次のような課題が出ています。
    1. 研究活動の停滞・科学政策への影響:資料のデジタル化が進んでいない分野では調査・研究が進められません。学術研究が進展しないということは、被害への対策や回復の観点からも非常に重大な損失です。
    2. 将来世代の人生への影響:MLAK機関が所蔵する資料の利用が前提となっている大学教育に大きく影響しています。また小中高段階の学校の休校・閉鎖に伴い、学校図書館が利用できないことは児童・生徒のまなびに直接的な影響を及ぼしています。
    3. 市民の知的インフラの欠如:MLAK機関が使えないことは、乳幼児からシニアまで全世代の市民生活にも弊害があります。特に経済情勢が厳しくなるなか無料で利用できる公共図書館は、生きるためのセーフティーネットの1つです。
  4. 以上の課題を解決していくためには、少なくとも次の2つの観点からの、さらに言えば次の3つの観点からの議論と行動が必要です。
    1. 安全な来館利用の再開:被害拡大に歯止めがかかってくる段階において、MLAK機関の施設としての再開を図りましょう。その際、利用者と提供者の安心と安全を第一とし、再開の是非や方法は科学的かつ客観的に判断していきましょう。
    2. 非来館利用の促進:同時に情報・知識のデジタル化・ウェブ化・オープンアクセス化をさらに進めましょう。MLAK機関を来館・非来館のいずれでも、常に同等の利用が可能な機関へと進化させていきましょう。
    3. 2分法を超える融合:来館・非来館という2分法ではなく、実空間と情報空間が融合した未来のMLAK機関の理想を追求していきましょう。
  5. 私たちの知的インフラを充実させていくために、情報・知識やMLAK機関の利用者・提供者・生産者が一体となって議論し行動していきましょう。充実した知的インフラを創りあげていくことは、さまざまな災害に対する私たちの社会の「しなやかな強さ」(レジリエンス)となってくるはずです。

署名

以上の呼びかけにご賛同いただける方は、ぜひご署名ください。

※氏名(必須)と所属・肩書(任意)をご自身で記入してください。

  • 岡本真(アカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg)/saveMLAKプロジェクトリーダー)
  • 森いづみ(県立長野図書館長)
  • 吉本龍司(カーリル)
  • 高久雅生(筑波大学)
  • 小陳左和子(東北大学附属図書館)
  • 江草由佳(国立教育政策研究所)

履歴

  • 2020-05-25:第1版公開